ランドローバーの主力SUVである『ディスカバリー』に、新たに追加された弟分とでも呼べるモデルが『ディスカバリー スポーツ』だ。2014年10月のパリ・モーターショーでお披露目され、日本でも販売が開始されている。
そのディスカバリー スポーツの走りは、従来のディスカバリーのイメージをくつがえすような鮮烈なものであった。端的にいえば、クロスカントリー4WDではなく、今どきのオンロード向けSUVのような軽快なフットワークだ。
「ロールしないとか、バン!と走るなど、スポーツカー・ライクになったのは『イヴォーク』かなと思いますね。そのイヴォークに比べると、ディスカバリー スポーツは、ずいぶんマイルドになっていますし、利便性も高まっています」と、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報部ディレクターである若林敬市氏。ディスカバリー スポーツは、イヴォークをベースにしつつ、ボディ後半部を一新することで、3列シートや広い荷室などの居住性や利便性を向上させたモデルであったのだ。
「他用途性にしても、積載性も居住性も、絶対に競合他車を上回るものがディスカバリー スポーツにはあります。4駆のオフロード性能に関しても、テクノロジーが進化しているので、そういう走りの味付けのクルマであっても、妥協していませんよ!と。渡河深度が60cmあるとか、デパーチャーアングルなども、かなり良い数字を出していると思います。これまでの『フリーランダー』のユーザーに対しても、あるいはディスカバリーから降りてくる人に対しても、十分、説得力のある性能は維持しつつ、新たなお客さんを獲得できるスタイリッシュさを身につけたと。そういう位置付けのクルマなんですね」と若林氏。
従来からあるディスカバリーの価値に、「スタイリッシュなルックス」「オンロードでの軽快なフットワーク」という新たな価値を付加したのがディスカバリースポーツだという。
「実は、このクルマにとどまらず、ディスカバリーも、未来永劫、今のクルマを売っているわけではなくて。変わってくるわけです」と若林氏は、基本となるディスカバリーの変化も示唆する。
「どういう方向に行かというと…。去年の4月にニューヨークモーターショーで、『ディスカバリー・ビジョン・コンセプト』というクルマを出しました。これが、我々の会社が示した、まさにビジョンです。そこで、今日のクルマ(ディスカバリー スポーツ)を見ると、そこにコンセプトの面影があると思います」
「次の世代のディスカバリーは当然、こういう方向に行くと。だけど、3列シートの居住性にしても、室内の広さ、走破性にしても、これと同じように、絶対に今のお客さんを満足させつつ、新たなお客さんを惹きつけるスタイリッシュなクルマにしていく。ディスカバリー スポーツと同じストーリーが、新しいディスカバリーでも語られることになるでしょう」と若林氏。
このディスカバリー スポーツをきっかけに、ディスカバリーは新たな地平を目指す。