米ワシントンDC地下鉄の川重製新型車、4月14日運行開始

鉄道 企業動向
川崎重工は4月14日、米ワシントンDCの地下鉄に同社製の新型車両7000系の初編成を引き渡したと発表。ワシントン首都圏交通局によると、現地時間14日朝から地下鉄ブルーラインで運転を始める
川崎重工は4月14日、米ワシントンDCの地下鉄に同社製の新型車両7000系の初編成を引き渡したと発表。ワシントン首都圏交通局によると、現地時間14日朝から地下鉄ブルーラインで運転を始める 全 2 枚 拡大写真

川崎重工業は4月14日、米ワシントンDC地下鉄向けの新型車両7000系の初編成を、同社の米現地法人を通じてワシントン首都圏交通局(WMATA)に引き渡したと発表した。同地下鉄で日本製車両の導入は初。WMATAによると、現地時間14日から地下鉄ブルーラインにて運行を始める。

川崎重工によると、今回引き渡したのは2010年8月に受注した64両の第1編成(8両編成)。同社は米ネブラスカ州のリンカーン工場で車両を製造し、これまでワシントンDC地下鉄で約1年間の各種検証試験を行った。


(WMATAによる7000系の動画)
7000系は、1976年の開業時から使用されている1000系車両の置き換えや、ダレス国際空港への新線「シルバーライン」開業に伴う車両増備などを目的に発注された、同地下鉄初のステンレス製車両。1両あたりの長さは23m、幅は3.1mで、最小4両、最大8両編成で運転される。同地下鉄の従来車両は2両編成を複数連結する形のため、各車両に運転室があるが、7000系は4両編成を1単位として運転室の数を減らし、車内のスペースを広げた。

車体は万が一の衝突に備え、他の車両に乗り上げて脱線することを防ぐ「アンチクライマー」を装備しているほか、火災対策など安全性を重視。車内には液晶ディスプレイやLED(発光ダイオード)表示装置などによる案内表示システムを搭載しているほか、安全監視カメラの設置や手すりの数を従来車より増やすなど室内装備も充実させた。

川崎重工は2010年に受注した64両に加え、これまでにオプション契約464両を受注しており、2017年にかけて順次納入するとしている。WMATAによると、7000系の導入で旧型車の1000系、4000系全車を置き換えるほか、現在より総車両数を最大128両増やす。

WMATAによると、7000系の1番列車は現地時間午前7時過ぎに地下鉄ブルーラインのフランコニア・スプリングフィールド駅を出発する列車で運行を開始する。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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