FCV向け燃料電池システム、2030年度は4.7兆円市場に…富士経済

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富士経済は、燃料電池システム市場と関連技術の動向について調査を実施。その結果を報告書「2015年版 燃料電池関連技術・市場の将来展望」にまとめた。

調査は2014年10月から2015年1月の期間、同社専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングや関連文献調査、社内データベースを併用して行った。

燃料電池システム世界市場は、産業・業務用や家庭用に加えて、燃料電池車が商用化されたことで主要商品が出揃った状況にある。2014年度の市場規模見込みは前年度の59.3倍となる1363億円。市場規模が1000億円を超えたことで注目度が上昇しており、2015年度以降の参入企業の増加が期待される。

エリア別では、北米は産業・業務用と非常用電源を含むポータブル/バックアップ用、フォークリフト向けなど駆動用の需要が大きく、2014年度で世界市場の5割を占める見込みだ。日本は民生用燃料電池導入補助金制度により2013年度から家庭用が大きく伸びている。

燃料電池車は2014年度では5億円だが、2020年度頃から大きく伸び、2030年度には日本市場の7割を占めると予想される。欧州の市場規模は小さいが、2025年度以降に燃料電池車が大きく伸び、2030年度には最大の需要エリアになると予想される。アジアでは2014年度は産業・業務用が大部分を占めると見込まれる。

需要分野別では、2014年度は、産業・業務用が6割を占めると見込まれる。日本では参入企業が限られていたが、2015年度以降は複数の企業が実証実験後に新規参入するとみられ、市場の拡大が期待される。全体の3割を占める家庭用は、日本での需要が大部分である。大手都市ガス事業者を中心にエネファームが好調だ。

燃料電池車は、先行する自動車メーカーによる第一世代車が2015年度から2018年度に出揃うとみられ、2020年度には各メーカーが量産体制を整えると想定される。補助金制度が充実している日本、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制が課されるアメリカのカリフォルニア州、環境対応自動車のユーザーメリットが大きい北欧などの欧州諸国から普及が始まるとみられる。

日本では、東京五輪を契機とした水素インフラの新規整備、燃料電池車・水素燃料の認知度向上などにより、2020年度以降の本格的な普及に向けた施策が期待される。先進国を中心に普及が進み、2030年度には4兆7520億円が予測される。

《纐纈敏也@DAYS》

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