【スーパーフォーミュラ 第1戦】ロッテラーが好スタートから圧勝…可夢偉は初戦9位

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ロッテラーは2011年以来の王座に向け好発進。
ロッテラーは2011年以来の王座に向け好発進。 全 13 枚 拡大写真

全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)開幕戦は19日、鈴鹿サーキットで43周(250km)の決勝レースを実施した。予選3位からスタートでトップに立ったアンドレ・ロッテラーがそのまま実質的な首位を譲らずに圧勝、初陣の小林可夢偉は9位だった。

決勝日、鈴鹿は朝から小雨模様で、午前のフリー走行時の路面はウエット状態だったが、午後3時の決勝開戦時には天候くもり、路面ドライへとコンディションが変化。塚越広大(#10 REAL RACING/ホンダ)がマシントラブルでスタートに参加できず、決勝は全18台での戦いとなった。

予選では山本尚貴(#16 TEAM 無限)がポール獲得、ナレイン・カーティケヤン(#41 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が2位と、ホンダエンジン勢が1-2を占めていたが、形勢はスタートで一気に逆転した。ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S)が3番グリッド発進から首位を奪取し、これに予選5位だった中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S)、同4位の石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING)が続き、トヨタ勢が1-2-3でオープニングラップを終える。

#16 山本が2周目に#38 石浦をパスして3位に上がると、その後レースは#2 ロッテラーが首位を快走し、彼からは少し離されつつある位置で#1 一貴と#16 山本が2位を争うかたちで推移していく。トップ3は28~30周終了時に給油&タイヤ交換をしたが、形勢は大きく変わらない。ロッテラーは最終的に僚友の一貴を約9秒差に下し、圧勝を遂げた。

「スタートがキーだと思っていた」と語るロッテラーは、もともとスタート巧者として知られるが、現行マシンの「SF14」が導入された昨年はハンドクラッチでのスタートに苦戦していた。しかし、「今年はチームとともにスタートの改善に取り組み、安定して、確実なスタートが切れるようになった」と言う通り、一昨年までと同様の鋭いスタートダッシュが蘇り、4年ぶりの王座獲得に向けての貴重な先制勝利を得た。

「ある意味、シンプルなストーリーの勝ち方にはなったけど、もちろん簡単なことじゃなかった。素晴らしい仕上がりのマシンがあったからこそ、ずっとハードにプッシュできたんだ」と語るロッテラーは、これが全日本トップフォーミュラのシリーズ戦における通算100レース目の決勝出走で、21回目の優勝になる(手元計算)。

「“21”といえば、日本で初めて走った年(03年)は21歳だった。それから比べるとずいぶん年齢を重ねたものだけど、僕はまだまだ速いよ(笑)」と、現在33歳の“ルマン&SFの皇帝”は笑顔で語っている(ルマン24時間レースでは11、12、14年に総合優勝)。

ちなみに全日本トップフォーミュラが1996年にフォーミュラ・ニッポンとなって以降(13年からはSF)のシリーズ戦通算最多勝は本山哲の27勝で、ロッテラーは現在歴代2位。本山が125レースの決勝出走(同じく手元計算)なので勝率は21.6%、ロッテラーが勝率21%だから、ほぼイーブンだ。

「本山(98、01、03、05年王者)は僕が日本に来た時には既に絶対的なトップといえる存在だった。彼のことは大いにリスペクトしている。チームと一緒に常にインプルーブを重ねていって、もっと勝ちたい。そうすれば、彼を超えられると思う」。ロッテラー、本山に追いつくにはあと6勝である。

2位には一貴が続き、TOM’Sが1-2フィニッシュ。山本は最終周にエンジン系と思われるトラブルで白煙を上げてストップしてしまい(15位完走扱い)、カーティケヤンが移籍初戦で3位表彰台を得た。

ホンダ最上位は彼で、4~5位にはトヨタ勢のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL)と石浦が続いた。6位には、給油時にタイヤを交換しない戦術を採るなどして予選14位からうまくレースメイクした中嶋大祐(#64 NAKAJIMA RACING/ホンダ)が入っている(大祐は中嶋悟さんの息子で、一貴の弟)。

2年連続王座をめざす一貴は、初戦の内容から「やっぱりアンドレ(ロッテラー)と山本がもっとも手強い存在になるんじゃないですか」との旨を語っており、最強チーム内の同門バトル、さらには速さを増しているホンダ勢のエースとの今季の戦いが苛烈なものになると覚悟している様子。次戦以降が楽しみだ。

注目の“ルーキー”可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)は、燃費的に最も早いタイミングでピットインする戦術を決め打ちで敢行してのポジションアップを狙うなどした。だが、10番グリッドからのスタートで他のマシンの失敗のあおりも食うかたちでポジションを落とすなどしたこともあり、最終的に9位。ポイント獲得にはあとひとつ届かなかった。次戦での巻き返しに期待したい。

見どころ豊富なSF第2戦は5月23~24日、7年ぶりの実戦を迎える岡山国際サーキットに舞台を移して開催される。

《遠藤俊幸》

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