ホンダが4月23日に発表した新型『ステップワゴン』の開発責任者を務める本田技術研究所の袴田仁主任研究員は今回パッケージングで非常に苦労して達成したのが、エンジンルームを40mm短くしたこと。それをすべて室内の長さに使った」と明かす。
車体設計開発を担当した齋藤葉治主任研究員は「今回エンジンが2リットルから1.5リットルにダウンサイズされ単体の容積は小さくなったものの、ターボチャージャーやインタークーラーなどの補機類があるので、結果的には2リットルエンジンと同等の容積を獲っている。ただ衝突の際のエネルギー吸収のための構造を工夫することで、エンジンルームを40mm詰めた」と振り返る。
具体的には「バッテリーなど衝突の際のエネルギーの吸収に使えない硬い部品をうまく入れ違いに配置しながら、必ず潰れるゾーンを確保するといった作業を細かくやっていって40mmをたたき出した」という。
一方、苦労して生み出した40mmの配分先ついて、パッケージを担当した林克明研究員によると、ホイールベースに35mm、リアオーバーハングに5mmあてることで、そのすべてをサードシートのひざ周り空間の拡大に振ったという。
その理由は「1列目、2列目は結構、このクラスで十分広いが、3列目がいつもおざなりになっていた」からだ。このため「『全席平等』という新型ステップワゴンのコンセプトを受けて3列目に40mmを全部費やした」としている。ちなみに「1列目、2列目は手つかずということはなく、頭上空間を広げて解放感をアップしている」とのこと。