【いつもNAVI[ドライブ] インプレ前編】個性派カーナビアプリ健在、ユニークな機能がさらに進化

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いつもNAVI[ドライブ](写真はiPhone 6)
いつもNAVI[ドライブ](写真はiPhone 6) 全 24 枚 拡大写真

圧倒的なブランド力のあるゼンリンの地図が魅力のカーナビアプリが、この「いつもNAVI[ドライブ]」だ。カーナビアプリの老舗といえる同アプリだが、強力なライバルが次々に登場する中で、3D地図、サポートアプリのリリースなど、独自の進化を遂げた個性派カーナビアプリとなった。

◆「いつもNAVI」シリーズの中心的アプリ

ゼンリンデータコムが提供している「いつもNAVI」はスマートフォンが普及する前から、フィーチャーフォン向けにカーナビアプリをリリースしている老舗アプリだ。長期間にわたって一定の支持を獲得し、数々の強力なライバルアプリの登場にも埋没することなく、つねに人気アプリのランキングに名を連ねてきた。

今回紹介するのは、いつもNAVIのシリーズの中でも中心的なアプリといえる、「いつもNAVI[ドライブ]」。カーナビ用途に特化し、3D地図など最新技術も投入した注目度の高いアプリだ。

カーナビに求められる機能をフル装備したうえで3D地図の魅力をプラス

かつてはほとんど実用に耐えなかったスマホのカーナビアプリだが、現在ではPNDのようなカーナビ専用機さえも凌駕する多機能が当たり前というところまで進化した。カーナビアプリの最先端といえるいつもNAVI[ドライブ]もまた、数年前ならアッと驚くような機能を、当然のように満載している。つまり、5ルート同時検索、VICSによる渋滞情報と渋滞回避、駐車場空満情報やガソリン価格のリアルタイム表示などだ。

そのうえで、いつもNAVIならではの魅力として搭載されたのが、独自の3D地図だ。カーナビで3Dというと、単に上空から斜めに見下ろした視点の地図を指すことが多い。単に遠近感があるという意味での3Dなのだが、本アプリは違う。建物などを立体的に描画する、本当の3Dなのだ。こうした機能はGoogleマップやiOSのマップアプリも採用しているが、カーナビアプリでは珍しいといえるだろう。

なお、本アプリは、いわゆる「オフボード」タイプのナビアプリで、端末に保存するのはプログラムとデータのキャッシュだけだ。地図データや検索データはその都度、通信で取得する。地図データはキャッシュすることが可能で、ユーザーが200MBから2GBの間で設定できる。このタイプのナビアプリはインストールが簡単で端末のストレージを圧迫しないのがメリット。しかし、通信圏外では全く使用することができず、地図のスクロール速度でも若干不利になる。

また、本アプリはiOS用とAndroid用があり、いずれも月額もしくは年額の費用を支払うことでフル機能が使用できる。お金を払わなくても地図アプリとしては利用できるが、カーナビとしては使えない。また、カーナビとしての基本機能は7日間の期間限定で、試用することができる。

◆独特の使用感だが、使いやすさは上々

さっそく使ってみた。起動すると地図がサーッと描画され、目的地検索や設定などのボタンがそのうえに表示される。一見してその雰囲気はいかにもスマホアプリだ。おかしなことをいうようだが、最近のカーナビアプリはスマホアプリの雰囲気を消し、カーナビ専用機の雰囲気を再現しているものが多い。しかし、本アプリはまさにスマホを使い込んでいる人のためのUIといえる。

まずは目的地検索をしてみる。フリーワード、住所、周辺施設などごく普通の内容だが、メニューのデザインが工夫されていて使いやすい。もちろん、アドレス帳へも直接アクセスできるし、音声によるフリーワード入力も可能だ。大きな施設などでは、出入り口の選択もできるようになっている。

目的地を設定するとルート検索が行われ、ルート全図と所要時間、有料道路料金が表示される。ここで「他ルート」ボタンをタップすると、5ルート同時検索が可能だ。5ルートを表示した状態でも地図を拡大縮小、スクロールできるので、どんなコースが設定されているか簡単に確認できる。

5ルートの内容は「推奨」「一般」「道幅」「距離」「別ルート」となっていて、有料道路を明示的に選ぶことができない。試してみた範囲では「推奨」が有料道路を使うルートと考えていいようだ。

◆音声入力は精度、使い勝手ともに上出来

また、目的地検索は音声入力も利用できる。認識精度で定評のあるフュートレックの音声認識技術を採用しており、実際に運転しながらの発話でもロードノイズを意識することなく正確に認識してくれた。施設名やジャンル名をそのまま指定してももちろん認識するが、「コンビニ」と発話すると現在地付近のコンビニの候補を出してくれるというのも、なかなか気が利いている。画面サイズが小さく文字入力がしにくいスマートフォンの場合、こうした音声入力の使い勝手もアプリの評価を左右する重要なポイントだが、いつもNAVI[ドライブ]の音声入力は十分合格点を与えられる出来だ。

ルートガイドは交通案内版表示、大きな交差点やインターチェンジなどのイラスト表示など充実したものだが、これも現在のレベルでいえば、あって当然といえるものだろう。特徴的な機能としては、画面の右上に表示されるレーンtoレーン案内図だろう。これは拡大表示した道路上に走行するべきレーンまで分かるようにルートのラインを引いた図だ。一般的なレーン案内図もあるのでここまで必要かという気もするが、都心の分かりにくい交差点では確かに助けになる。

音声のガイドは非常に流暢で聞き取りやすく、音量も十分に大きい。また、曲がるポイントに近づくと地図が自動的にズームするのも非常に便利。方面看板や交差点名、レーンガイド、ETCレーン表示、交差点・インターチェンジ(IC)/ジャンクション(JCT)拡大イラストなども備え、据え置き型のナビに匹敵する豊富な情報量で、案内の分かりやすさはいつもNAVIならではの特徴だ。高速道路走行時は、IC/JCT/SA/PAの直近3件がリスト表示され、SA/PAについては施設アイコンも表示する親切ぶりだ。このように、ナビゲーションの実力と情報の充実度は数あるナビアプリでもトップクラスの実力と言える。

また本アプリはVICSに対応しており、渋滞考慮ルート検索も可能だが、初期設定ではVICSがOFFになっている。だが画面右下にあるクイック設定を利用すれば2タッチでONに変更できるが、できれば一度ONにすれば次回起動時もONの状態を保つような仕様にしてほしい。

◆SF気分を味わえる3D地図の使い心地は?

本アプリの最大の特徴である3D地図。地図をズームアップするとビルディングが描画されていく様子は、どこかSF的ですらある。

本アプリの3D地図は凝った仕様になっていて、地図をズームアウトすると真上からの視点に近くなり、ズームインすると、路上から前方を見ている視点に近づいていく。つまり、ズームアウトした時はより遠くまで見通すことができ、ズームインすると近くのものがよく見えるようになるのだ。これは理にかなっていて、好印象だ。

また、本アプリは3D地図をオフにした状態、つまり、真上からの視点の地図でも、ズームインしていくと建物が3Dで表現される。これが本当に空を飛んで真下を見下ろしているようにリアルで面白い。

さらに、本アプリでは山並み等の地形に加えて道路の重なりまでも立体的に表示されるようになっている。つまり、高速道路のジャンクションなど道路が立体的に交差している場所で、どちらの道路が上かという、重なりを忠実に再現して表示するのだ。

3Dで表現される建物は2種類あり一般的な建造物は半透明で画一的な形で表現される。一方、ランドマークとなるような有名な建造物は、別途データが作成されているようで、細部のディティールまで忠実に再現したカラーのポリゴンで表現される。こうしたランドマークはかなり遠くにあっても立体的に描画され、現実と同じく画面上でも都合のいい目印になる。

【いつもNAVI[ドライブ] アプリ情報】
●iOS向け(iTunes Store)
360円/月
3000円/年

●Android向け(Google Play)
324円/月(定期購入コースのみ)

《山田正昭》

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