富士急行は4月29日から、カチカチ山ロープウェイ(山梨県富士河口湖町)に新型ゴンドラを導入する。新しい搬器の導入は34年ぶりで、1959年の開業以来3代目になる。
カチカチ山ロープウェイは、河口湖東岸の遊覧船乗り場にほど近い河口湖畔駅と、その東側にある天上山の富士見台駅を結ぶ、全長460m・標高差219mの索道路線。ゴンドラの窓からは富士五湖の一つである河口湖の全景を一望できる。
発表によると、新型ゴンドラは幅1.6m・長さ4.5m・高さ2.35mで、搬内は幅1.49m・長さ4.3m・高さ2.1m。定員は36人になる。前面は幅約145cm・高さ約160cmの大型ガラス、側面も上下に大きく広がる展望窓を採用。搬体の約8割をガラス面にして「河口湖の自然を今まで以上に大パノラマで体感できる」(富士急行)ようにしたという。ドアは従来より約20cm大きい120cmで、乗り降りしやすくした。
搬体は「富士山にお参りするための駕篭(かご)」をイメージしたデザインでまとめられており、1号ゴンドラは赤をベースに「麻の葉紋様」をあしらった。2号ゴンドラは金色をベースに「青海波紋様」をあしらっている。また、天上山が舞台とされている昔話「かちかち山」にちなみ、かごを担いだウサギ(1号ゴンドラ)とタヌキ(2号ゴンドラ)のモニュメントを屋根に設置した。
内装は吉祥文様の壁紙を採用して「日本らしい雰囲気」を演出し、海外からの観光客にも楽しんでもらえるようにした。搬内アナウンスは日本語と英語に対応し、ゴンドラ内のモニター映像でも多言語案内を行う。
富士急行は、新型ゴンドラの導入により「ますます増える海外からのお客様にも富士山・河口湖の魅力を伝えてまいります」としている。