【アウディA7スポーツバック 試乗】上流のしつらえ、ジェントルな走り…島崎七生人

試乗記 輸入車
アウディA7 Sportback 3.0 TFSI quattro
アウディA7 Sportback 3.0 TFSI quattro 全 9 枚 拡大写真

オプション・消費税込みで1177万円。“S”や“RS”でなくとも立派な高級車だ。何の創意工夫もない表現だが、まさにセレブのためのクルマ…実車を目の前にしていると、そんな空気がプンプンと伝わってくる。

フェイスリフトモデルは、フロントグリルやヘッドランプのデザインが新しく、一段とクールな表情になった。LEDのあしらいが従来よりシンプルでさり気ないデザインなのがいい。それとリヤの“流れるウインカー”。1970年代の日本車にもあった(当時はオレンジ色でなくともOKだった)が、電球とは波長が違う光のLEDが流れる様は、スカイツリーのイルミネーションのクルクル回っている部分のイメージ…といえば伝わるだろうか。

インテリアは贅を尽くしたもの。一瞥して「絢爛豪華すぎでは?」などと思うのは、実生活でこのクラスのクルマに縁がない者の感覚かも。素材や色遣いなど、上流の様式に則って仕立てられている。

ほぼ5m(4990mm)の全長、1910mmの全幅の4ドアクーペらしく走りはジェントルだ。とくにこのクラスともなると乗り心地のなめらかさは極上で、気に障る揺れ、硬さがないのがいい。それでいてスッと曲がる身軽さもあり、フォーマルなセダンとの違いも明快。搭載エンジンは3リットルのV6スーパーチャージャーで333ps/440Nmだが、乗り味に見合ったなめらかな回転フィールが印象的だ。

5名乗りの後席は、4名乗りと同等の寛いだ姿勢を保持してくれる快適な居心地。ラゲッジスペースは広大で、ここにたっぷりと載せた“衣装ケース”を到着先のホテルでベルボーイに降ろしてもらう…そんなイメージ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. ホンダ『CB1000F SE コンセプト』を世界初披露! カウルが付いてネオレトロ感アップ、MSショーからの変更点もチェック!
  5. 自動車購入の落とし穴! 公取協・公取委の警告から学ぶ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る