【鈴鹿8耐】超大物ケーシー加入での悩みと期待…MuSASHi RT HARC-PRO 本田監督インタビュー

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
No.634 MuSASHi RT HARC-PRO(鈴鹿8耐2014)
No.634 MuSASHi RT HARC-PRO(鈴鹿8耐2014) 全 12 枚 拡大写真

ケーシー・ストーナーのチーム加入で注目を集めている「MuSASHi RT HARC-PRO」。鈴鹿8耐では2連覇中で、通算3度の優勝経験を持つトップチームだ。チームの指揮官である本田重樹監督への独占インタビュー第二弾では、ストーナー選手への期待、そして戦略を聞いた。

【画像全12枚】

ストーナーのデビューは鈴鹿8耐公開合同テストから

ストーナーが初めて参加するテストは、今後の鈴鹿8耐公開合同テストになる予定だが、本田監督ならずとも期待感が高まっている。

「現役を離れたと言っても、ホンダ『RC213V』をテストで走らせているし、もし今MotoGPクラスに復帰しても、間違いなくチャンピオン候補の一人になるライダー。それほどすごいライダーをチームに迎えることができたのは、本当にうれしいのひと言に尽きる。鈴鹿8耐の発表会でケーシーの参戦を告げたとき、関係者や観客がどよめいたけれど、いちばん楽しみにしているのは私かもしれないね」

しかし、超大物ライダーだけに、監督として早くも悩みは尽きない状態でもある。

「攻めのレースができることは間違いない。でも、欲を出してこれまでの戦法を崩すこともしたくない。目標は、これまで通り218周。最多周回数タイの219周は、すべてがうまく行ったときに初めて見えてくるものと思っている」

主役級の3人を擁するゆえに悩みも

今年の鈴鹿8耐にMuSASHi RT HARC-PROはケーシー・ストーナー、高橋巧、マイケル・ファン・デル・マークの3人のライダーで戦う。本田監督はこの3人を高い次元でレースができると評したが、主役が3人となればマシンのセッティングを誰に合わせるかも興味深い。

「ケーシーから色々とリクエストが出ることは十分に予想される。でも、あくまでも3人のライダーで戦うのだから、引くべきところは引いてもらう。もちろんその辺のことはケーシー自身が分かっていると思うけどね」

「マシンの『CBR1000RR』は、ライバルと比較すると馬力面などで厳しいけれど、鈴鹿8耐はマシンパワーで戦うレースではないんだ。パワーを出せば燃費が厳しくなる。この兼ね合いが重要で、そうした部分でCBR1000RRは素晴らしいポテンシャルを持っている。ケーシーがMotoGPマシンを走らせるように本来の走りをすれば、燃費がきつくなる可能性もあるので、本当にテストでのデータ取りが重要になってくる」

「そしてこれまでは、チームの方針としてトップ10トライアルでは耐久レース本番仕様と同じセッティングで出走していたけれど、ファンの期待に応えるのも我々の役目でもあるので、フルパワーで行く可能性もありますよ。いや、まだトップ10トライアルに出走できると決まったわけではないし、そこにケーシーが走ると約束できるものでもありませんが(笑)。でも、ファンならずともケーシーがどれだけのタイムを出すのか興味深いでしょ」

3人で8時間を走るとなると、2人のライダーが3時間ずつ、そして1人が2時間の走行となるわけだが、どこにケーシーを起用するかはその時次第であると言う。

「その決定は、基本的に決勝日の朝になるだろうね。それ以前に想定してのシミュレーションはするけれど、実際には3人のライダーの調子を見て決めることになる。もちろんケーシーにだって、いざとなれば予定外のスクランブル発進もある」

《佐久間光政》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ『CB1000F』早くも受注が1600台超に、年間生産計画5000台…CBオーナーイベント復活も計画
  2. 免許不要で歩道走行可能な新型4輪モビリティ、全幅59cmの「CURIO Q1」初公開へ…ジャパンモビリティショー2025
  3. トヨタ『RAV4』新型、パワーと燃費向上の第5世代ハイブリッド搭載…12月米国発売へ
  4. AE86は今いくら?『頭文字D』登場車の市場を分析
  5. トヨタ『カムリ』新型に「GT-Sコンセプト」、スポーツセダンの新境地を提示…SEMA 2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る