【SUPER GT 第2戦】王者ニスモ組GT-R、驚速を見せつけポールポジション獲得

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GT500クラスのポールを獲得した#1 GT-R。
GT500クラスのポールを獲得した#1 GT-R。 全 11 枚 拡大写真

2日、SUPER GT第2戦の公式予選が好天の富士スピードウェイにて実施され、GT500クラスのポールポジションは前年王者のニスモ組GT-Rが獲得した。GT300のポールは開幕戦優勝のプリウス(aprチーム)がゲットしている。

全国的に好天に恵まれた5連休初日。多くの観衆が集まった富士スピードウェイも絶好の行楽日和といえる天候で、2段階ノックアウト方式の予選が開始された午後2時15分の時点では気温24度、路温38度と、この時期にしては暑いと形容してもいいくらいのコンディションとなった(路面はもちろんドライ)。

GT500クラスは、朝のフリー走行から予選Q1、そしてQ2と、常にトップタイムを記録した#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/タイヤはミシュラン=MI)が獲得。Q1トップ通過の松田からバトンを受けたクインタレッリが、Q2で新コースレコードとなる1分27秒552をマークし、後続に0.325秒という富士では小さくないタイム差をつける完璧なポール奪取劇だった。

開幕戦ではトラブルが発生するなどして、まさかのノーポイントに終わっていた前年王者陣営ニスモ(#1 GT-R)だが、その分ここには獲得ポイント連動のウエイトハンデがゼロの状態で臨んでいる。現行GT500規定車デビューの昨年から日産GT-R勢が富士で特に高いパフォーマンスを発揮していることからも、ある意味では今回の大本命とも目された松田&クインタレッリだが、今季ここまでの状況は決して楽観的なものではなかったようだ。

松田はポール獲得の要因として、「開幕前の(テストから)ずっと、セッティングの方でちょっとわるいところがあったんですが、それへの対策をチームがしてくれたこと、そしてタイヤのマッチングが良かったこと」を挙げた。開幕前からの“悩み”は、彼とクインタレッリのポール会見での言葉の端々から察するに、意外と深いものだったようである。

だが、今回は「朝のフリー走行から『クルマが決まっている』と感じられた」(クインタレッリ)とのことで、「ウエイトハンデが(ある程度)あったとしても28秒台前半は出る」(松田)という感触の仕上がり。連覇を目指すシーズンの先行きがある程度明るくなったことを自覚できたであろうくらいの、まだ2戦目ではあるが起死回生といっていい、驚速発揮のポール獲得劇でもあったのだ。両者とも安堵したかのような笑顔が実に印象的だった。

とはいえ、本当に大切なのは決勝。今季初優勝に向けて松田は「ポールを獲ったからといって油断はできません。(予選2位の)#12 GT-Rがどういうタイヤを履いているかも分かりませんからね。気を引き締めて、明日も(チーム全体で)力を合わせて頑張りたいと思います」と語っている。

GT500の予選2位は#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/ブリヂストン=BS)。2列目グリッドを獲得したのはレクサス勢で、3位が#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)、4位に#36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔&J.ロシター/BS)が続いた。5位は#24 D’station ADVAN GT-R(佐々木大樹&L.オルドネス/ヨコハマ=YH)。ホンダ勢は#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&武藤英紀/BS)の6位が最上位だった。

GT300クラスは、開幕ウイナーの#31 TOYOTA PRIUS apr GT(佐々木孝太&中山雄一&嵯峨宏紀/BS)がポールポジションを獲得。Q2では日産GT-R勢との熾烈なタイムアップ合戦となったなか、前戦優勝による40kgのトップハンデをものともしない速さで唯一の1分36秒台(1分36秒952)を佐々木がマークしてポール獲得を決めた(Q1でも中山が1分36秒519で唯一の36秒台)。

#31 プリウスは中山と嵯峨のコンビで開幕戦を制したが、嵯峨はWECスパ・フランコルシャン戦参戦のために今回の富士は欠場予定だった。そこで佐々木が代わって実戦登板、中山と組んだわけだが、嵯峨もWEC参戦チーム側の事情等でスパには行かないこととなり、結果的に今回は3人体制で臨んでいる(今回は500kmレースなので3人体制参戦も可。予選はQ1を中山、Q2を佐々木が担当した)。

自身の持つ個人最多のGT300クラスポール獲得記録を13に伸ばした佐々木は、「プリウスは最高に仕上がっています」とチームの仕事を絶賛、さらに「ブリヂストンもいい仕事をしてくれました」と語った。朝のフリー走行ではトラブル発生により満足に周回を重ねられなかったが、それと重ハンデをもはねのけられる仕上がりの高さがあったようだ。開幕2連勝に期待がかかる。

GT300クラスの予選2~6位は以下の通り。日産GT-R勢が2-3位を、メルセデスSLS勢が4-5位をそれぞれ占めている。

2位 #3 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹&高星明誠/YH)
3位 #10 GAINER TANAX GT-R(A.クート&千代勝正&富田竜一郎/DL)
4位 #11 GAINER TANAX SLS(平中克幸&B.ビルドハイム/DL)
5位 #65 LEON SLS(黒澤治樹&蒲生尚弥/YH)
6位 #55 ARTA CR-Z GT(高木真一&小林崇志/BS)
※DL=ダンロップ

今回の決勝レースは通常より200km長い、500km(110周)の戦いとなる。ドライバー交代を伴うピットストップが最低2回義務づけられるので、各陣営の戦略がいつも以上に勝敗を左右する可能性も高いといえよう。注目の決勝、スタートに向けてのパレードラップは明日(3日)の午後2時15分に開始される。

《遠藤俊幸》

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