【ハーレー トライグライドウルトラ 試乗】ハーレー純正の3輪、ロングドライブで魅力増…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
ハーレー トライグライドウルトラ。写真は北米仕様で、日本仕様とは若干仕様が異なる。
ハーレー トライグライドウルトラ。写真は北米仕様で、日本仕様とは若干仕様が異なる。 全 18 枚 拡大写真

大型二輪免許がなくても、クルマのMT免許があれば乗れるハーレーがある。「トライク」と呼ばれる3輪バイク「TRI GLIDE ULTARA(トライグライドウルトラ)」(税込み425万円から)だ。

サービスエリアや街のなかで「改造車でしょ?」と声をかけられることがあるが、ハーレーの新車カタログにもしっかり載っている正真正銘の純正モデル。ハーレーダビッドソンジャパン 正規ディーラーでは、2014年2月から取扱いをスタートさせている。

乗ってまず感じるのは、バイクと同じ風。シートに跨り、ハンドルグリップを握りしめて走るフィーリングは、バイクと何ら変わらない。アクセルを開けてクラッチを繋いで発進し、シーソーペダルでシフトチェンジする操作方法もまったく一緒だ。

ただし、車体を傾けて曲がることはできない。方向を変えるときはハンドルを切って意識的に舵をとる必要があり、たとえば右コーナーでは左のグリップを前方に押し出し、左コーナーではその逆に右グリップを前に押す感覚となる。

バイクに乗るのが上手い人ほど最初のうちは戸惑う傾向にあるようだが、これは次第に慣れてしまう。ワインディングも思いのほか快活で、気がつけば夢中になって攻めているほど、エキサイティングな面も持ち合わせているから面白い。

エンジンは伝統のVツイン。1689ccもの排気量を持ち、低回転域から潤沢なトルクを発揮。熱対策も万全で、シリンダーヘッドのみを水冷化した最新式の「ツインクールド・ツインカム103」を採用。ストップ&ゴーを繰り返す市街地でも、オーバーヒートの心配はまずない。

筆者はアメリカ・フロリダ半島2000kmのツーリングでも「TRI GLIDE ULTARA」を使ったが、ロングランでこそその魅力が増すことを知った。

巨大なフェアリングに守られてのクルージングは快適そのものだし、ライディングポジションもゆったりとしていて疲れ知らず。「クルーズコントロール」が一定のペースで走り続けることをサポートしてくれるのもいい。

もちろん、安定感あるその走りは日本でも魅力的。トランクとトップケースを合わせ、約190リットルという収納力を持ち、ペアライドでのロングツーリングでも荷物の積載には困らない。大切なパートナーと、日本の高速道路網を駆け抜けるのも素晴らしい体験だろう。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★
コンフォート:★★★★★
タンデム:★★★★★
オススメ度:★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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