川崎市、中央新幹線の発生土運搬調査を継続…貨物列車で臨海部へ

鉄道 行政
団体臨時列車の窓から見た武蔵野貨物線の梶ヶ谷貨物ターミナル駅。ここに中央新幹線第一首都圏トンネルの非常口が設けられる。
団体臨時列車の窓から見た武蔵野貨物線の梶ヶ谷貨物ターミナル駅。ここに中央新幹線第一首都圏トンネルの非常口が設けられる。 全 2 枚 拡大写真

川崎市は5月1日、JR東海と締結した「川崎市臨海部における調査に関する協定」に基づく調査を、本年度も引き続き実施すると発表した。中央新幹線の建設発生土を川崎市の臨海部に運搬する場合の影響などについて、調査と検討を行う。

2027年の部分開業が予定されている中央新幹線は、品川駅から神奈川県駅(仮称)の少し先までの約37kmを、地下トンネル(第一首都圏トンネル)で整備する予定。事故や災害の発生時に使用する地上への出入口(非常口)が途中数カ所に設けられる。建設時には、トンネルの掘削により発生する土を地上に搬出するためのルートとして非常口を使用する。

環境影響評価書では、川崎市宮前区梶ヶ谷に設置する非常口から搬出する建設発生土を、鉄道貨物の活用により臨海部などへ運搬するとしている。この場合、「海上輸送への円滑な積み替え方法を検討することや臨海部における企業活動や物流等への影響を把握することが必要」(川崎市)になることから、JR東海は川崎市に調査を依頼。両者は2014年12月24日に協定を締結した。

協定の概要によると、川崎市港湾局が調査実施主体となり、JR東海が調査費(3000万円)を全額負担する。調査期間は2016年3月31日まで。これに先立ち港湾局は今年3月30日、臨海部に運搬するための候補地を複数抽出した中間報告をJR東海に提出した。川崎市は今後、5月から6月にかけて予算手続きを行い、7月から企業活動や物流に与える影響に関する調査を実施する方針。2016年3月末に最終報告を行う予定だ。

川崎市は1995年10月から、鉄道を活用した廃棄物輸送を実施している。同市北部で発生したゴミをトラックで武蔵野貨物線の梶ヶ谷貨物ターミナル駅に集め、ここから貨物列車で神奈川臨海鉄道の末広町駅やJR川崎貨物駅まで輸送。再びトラックに載せ替えて臨海部のゴミ処理施設やリサイクル施設に運び込んでいる。中央新幹線の梶ヶ谷非常口は梶ヶ谷貨物ターミナル駅の近くに設けられることから、発生土輸送の貨物列車も廃棄物輸送とほぼ同じルートで運行されるとみられる。

《草町義和》

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