【人とくるまのテクノロジー展15】埼玉県上里町発、クリーンモビリティへの挑戦…プラン

エコカー EV
プランのブースに展示されていたマイクロEV「かみさと1号(仮)」。ガレージの屋根には太陽電池パネルが設置されている
プランのブースに展示されていたマイクロEV「かみさと1号(仮)」。ガレージの屋根には太陽電池パネルが設置されている 全 4 枚 拡大写真

埼玉県北部の上里町で、再生可能エネルギーによるモビリティを確立させようという活動が始まっている。母体となっているのは、プランという製本と印刷業を営む会社。同社は絵本の製本では国内の半分を担っている老舗だが、太陽電池による発電という再生可能エネルギーをベースに持続可能な社会を提案しているのだ。

プランのブースには上里町で獲れる小麦と、そのゆるキャラ「こむぎっち」なども並べられていたが注目は、やはりクルマ。超小型EVを独自に輸入販売し、太陽電池パネルや蓄電池システムと組み合わせることで、エコで高齢者にも優しい交通システムを構築しようというのである。

そのマイクロEV「かみさと1号(仮)」は、イタリアのHTM社が設計デザインし、中国で生産されているものをベースに、日本仕様として右ハンドル化や日本の法規に合わせた仕様変更を施していたもの。バンパー代わりにフロントタイヤが突き出ているほどオーバーハングのないコンパクトなボディ、丸いヘッドライトが可愛いスタイリングはなかなか個性的だ。

2人乗りなので、マイクロEVの法整備がなされるまでは軽自動車として登録する計画だと言う。そして上里町と共同で、このかみさと1号(仮)を使った実証実験を予定している。まず大規模災害時に、このクルマを連結させて動く蓄電池として非常用電源の可能性を検証。その後、町内の一般家庭に2週間程度貸し出して、高齢者の自立支援への貢献度、通勤者への安全で便利な交通手段、あるいは日常の交通手段としての利便性や低炭素化への影響などの検証を3ヶ月に渡って実施するという。

販売する場合でも車両価格を抑え(予定価格93万円)、なおかつリサイクルしやすいよう鉛バッテリーを使用するなど、徹底的に人と環境に優しい仕様にこだわっているあたりにも理念を感じる。

ともあれ個人企業がこれからのモビリティを真剣に考え、地方自治体と共に行動に移しているところに、情熱と志を感じる。同社では、このマイクロEVを活用したいパートナー企業や団体を募集中だという。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  3. “プチカスタム”でサマードライブの楽しさをブーストアップ![特選カーアクセサリー名鑑]
  4. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る