【鈴鹿8耐】ヤマハ中須賀が好調、復帰2年目のTeam GREENも手応え…合同テスト

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中須賀克行
中須賀克行 全 8 枚 拡大写真

「コカ・コーラ ゼロ鈴鹿8耐」の第1回公開合同テストが6月3日、4日に行われ、全日本ロードレースJSB1000で絶好調のYAMAHA FACTORY RACING TEAM中須賀克行が、ここでも好調な仕上がりを見せた。

このテストには、ケーシー・ストーナーの加入で注目を集めるMuSASHi RT HARC-PRO.と、トニー・エリアスが所属するTOHO Racing with MORIWAKIは不参加。しかし、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀をはじめ、F.C.C. TSR Hondaはジョシュ・フックに加えMoto2クラスを戦うドミニク・エガーターが出走。au&テルル・Kohara RT からは秋吉耕佑と渡辺一馬が精力的にテストスケジュールをこなし、ヨシムラスズキシェルアドバンスは津田拓也、Team GREENでは柳川明と渡辺一樹がテスト参加した。

鈴鹿8耐では、レースを戦う上で燃費が重要なファクターとなり、ラップタイムの速さよりもアベレージスピードが基本データとなる。しかし、マシンの仕上がり具合を知るには、やはりラップタイムなしには語れない。

6月3日のテストはウェット、ハーフウェット、ドライと路面コンディションが変化したが、これは各チームに貴重なデータをもたらした。なぜなら、ここ数年の鈴鹿8耐ではレース中に通り雨が降る可能性が高いからだ。事実、監督の多くはこのさまざまな路面コンディションを歓迎した。

6月4日は好天に恵まれ、路面コンディションは完全ドライ。こうなるとマシンテストは一気に進み、各ライダーとも次々にトップタイムを更新していく。そして2日間のテストで総合トップタイムを叩き出したのは、全日本ロードレースJSB1000で好調のYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀で、タイムは2分07秒013。同チームの吉川和多留監督は「全日本第2戦オートポリス、第3戦ツインリンクもてぎを戦って、マシンは開幕戦の鈴鹿2&4レース時から大きく進化している。再び鈴鹿サーキットを走ることによってまずはその進化具合を確認できた」と、新型YZF-R1のデータが着実に蓄積されたことを語る。このテストデーにはゼッケン1の全日本仕様車と、ゼッケン21の鈴鹿8耐用開発車がピットに用意されたが、中須賀が全日本仕様車を走らせることはなかった。

2番手タイムとなったのは、昨年の鈴鹿8耐に参戦し、今年はF.C.C. TSR Hondaの一員として戦うエガーターだ。タイムは2分07秒966で中須賀に迫るもの。同チームの藤井正和総監督は「息子の謙汰が世界グランプリに出場したとき、同じチームからエガーターがMoto2クラスに出場していた。その時から鈴鹿8耐を一緒に戦おうと言っていたんだ」と語る。チームメイトのジョシュ・フックにとって、現役Moto2ライダーであるエガーターの存在は刺激になっていることは間違いない。

復帰2年目のTeam GREENは手応え十分

昨年、カワサキ直系チームとしては13年ぶりに鈴鹿8耐に復帰したTeam GREEN。今年も柳川明と渡辺一樹を継続参戦させる。今回のテストでは、両者のマシンのすり合わせがメインと釈迦堂利郎監督は明かすが、復帰2年目の今年は手応え十分だ。「昨年は、テストの段階からすべてが手探りでしたが、今年は最初のテストで2分08秒前半が出ている。これは昨年よりも2~3秒も速いタイムで、今後のテストに向けていいスタートが切れました」(釈迦堂監督)

このTeam GREENと同様に早くもヘッドライトを装着したマシンを持ち込んだヨシムラスズキシェルアドバンスの津田もベストタイム2分08秒019でテストを終えた。「さまざまな路面コンディションを走ることができて有意義なテストでした。テスト2日目は天気が良くて気温、路面温度ともに急上昇しましたが、鈴鹿8耐の暑さはこんなものではない。今後のテストでもしっかりと決勝レースを見据えてマシンを仕上げて行きます」と加藤陽平監督。

そして韋駄天の異名を持つ秋吉耕佑が所属するau&テルル・Kohara RT は、秋吉と渡辺一馬がお互いのマシンを乗り換えてのテストを実施。同チームの小原斉監督は「2人のマシンセットに大きな違いがなかったのは収穫だった。テストは始まったばかりだけれど、あっと言う間に本番を迎えることになるので、気を緩めずにスケジュールをこなしていきたい」と語る。なお、第3のライダーに長島哲太の名前が噂に上がるが、小原監督は「候補ライダーは何人かいるけれど、最終的に秋吉選手と渡辺選手の2人で戦う可能性もある」と明かす。

今回のテストに参加したトップチームのなかでは、このau&テルル・Kohara RT 、ヨシムラスズキシェルアドバンス、Team KAGAYAMAのライダー布陣が発表されていないが、今後は、そのライダー起用とともにマシン開発の進捗が注目されることになる。そして第2回公開合同テストは、7月7日・8日に行われるが、このテストにいよいよケーシー・ストーナーの登場が噂されている。

《佐久間光政》

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