丸目 コペン も生産開始、ダイハツのコペンファクトリー生産ラインを見た!

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コペンファクトリー(最終取り付けライン)
コペンファクトリー(最終取り付けライン) 全 32 枚 拡大写真

ダイハツ工業は6月16日、大阪府池田市のダイハツ工業本社工場内にある「コペンファクトリー」で、報道陣向けに取材会を開催した。報道陣への公開は今回が初めて。

コペンファクトリーはその名の通り、『コペン』を毎月440台、今年の5月末までで合計1万753台製造している工場。120人の従業員がおり、昨年の7月からオーナーを対象に製造過程の一部を見ることができる見学会が行われている。すでに370人が訪れているが、報道陣向けの公開はこれまでなかった。また、オーナーの見学時は写真撮影が一切認められていなかったため、外部のカメラが入るのは今回が初となる。

見学会ではまずボディ工場を訪問。施設内には巨大なプレス機やロボットが多数並んでおり、自動化率は実に90%にもなるという。しかし、特にロウ付けの作業は機械にはできず、人間の手でも作業員20人中4人しかできない職人技とのこと。ボディの検査は、ダイハツとしては初めて3次元計測カメラを使用し、その精度を高めている。

次は同じ敷地内のコペンファクトリーを訪問。こちらの建物はテーマパークのような内外装になっており、従業員以外に向けた見学施設となっている。見学エリアに入ると、目の前には一直線に伸びる通路があり、右手はコペンの最終組み立て工程を、前方と左手ではガラス越しに最終検査工程を見学できる。

今回、通常の工場見学では入ることができない組み立て行程の一部も見ることが出来た。2枚のカーテンにより埃が入らないように仕切られた先では、組み立て前工程として、ドア、トリム、足回りの取り付けを行い、最後に液物(エアコンガス、ブレーキ液、ラジエーター液、ウォッシャー液)を注入するところまでが行われる。

作業員用入り口付近には、工場見学をしたオーナー達からの写真とメッセージカードが貼られていて、作業員が自由に見ることができるようになっていた。

このエリアの特筆すべきは箇所は、各工程の作業時間と品質が細かく管理されていることだ。各作業台近くには2つのディスプレイが並び、大きなディスプレイには作業の手順と進捗状況が表示され、小さなディスプレイではボルトの締め付け部位が確認できる。すべての作業はコンピューターで管理され、どのボルトがどれぐらいのトルクで締められたかも記録されている。これにより、規定の時間を守りながらも、高い品質を保つのに成功しているとのこと。また、ボディ内で作業をする場合、マットを敷くことで足跡や傷がつかないようにするなど、細かな配慮がなされている。

最終組み立てラインでは、配置されている作業員がスピーカーから音楽が流れ出すのに合わせ、一斉に組み立てが開始された。これは同時に作業を開始することにより、ラインの進行に波を作らないようにするためとのこと。ルーフを二人がかりで取り付けるところから始まり、次々とパーツが取り付けられてゆく。

すべての取り付けが終わると、クオリティゲート(QG)と言われる担当者が完成したクルマを見て、聞いて、触って、不具合がないかを確認する。問題がなければ検査ラインに移し、細かく外観の検査を行う。QGと外観検査では女性が多く活躍していたのが印象的だ。この工程が終わると最終的な走行性能検査に移り、横滑り検査や走行検査、水漏れ検査などが行われる。合格することで、実際に公道を走り回るコペンが完成する。

コペンファクトリーでは、6月18日に発表された『コペン セロ』の生産も行われ、オーナー以外への公開も今秋から開始する予定とのこと。

《関 航介》

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