【オートサービスショー2015】ツールプラネットの汎用検査ツール、コストパフォーマンスさらにアップ

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ツールプラネットの新型汎用診断機『TPM-R』(オートサービスショー2015)
ツールプラネットの新型汎用診断機『TPM-R』(オートサービスショー2015) 全 24 枚 拡大写真
◆街の整備工場で必須の汎用診断ツールに新型が登場

6月19日より21日にかけて、東京ビッグサイトで開催された「オートサービスショー2015」において、岐阜の自動車整備機器メーカーであるツールプラネットが新型の汎用診断機『TPM-R』を初公開した。

ハイブリッドの普及や先進運転支援システムの進化など、近年クルマの電子制御化は高度化する一方だ。これにより、専用の診断ツールがなければブレーキパッド交換やブレーキオイルの交換にともなうエア抜きなどといった単純な整備作業もできないケースがあるという。また、タイヤの空気圧をリアルタイムでモニターする機能やハイブリッド車などの二次電池の劣化具合、衝突軽減自動ブレーキのレーダー類の点検・調整などにも、専用の診断ツールが必要だ。もちろん、決まったメーカーの車種だけを扱うディーラーであれば、専用ツールを用意すればよいのだが、不特定多数のメーカーの車種を扱う一般の整備工場にとっては大きな負担となる。

「うちは創業から60年になります。ですが、最初の45年は修理屋だったんです。ですから、そうした現場で必要とされるものをリリースしたいという思いがあります」とツールプラネットの社長・浅野一信氏は言う。

クルマの進化に置いていかれてしまうと、お客さんがきても「うちでは修理できません」となる。まわりが進化したクルマばかりになれば、「修理できるクルマがない」。それはとりもなおさず、廃業を意味してしまう。そのために性能がよく、手の届く価格の汎用診断ツールが求められているのだ。

ツールプラネットは、これまでエントリーモデルの『TPM1000』と高機能版の『TPM2000』をリリースしていた。今回の「TPM-R」は、 「TPM1000」の後継モデルに該当する。しかし、機能は上位の「TPM2000」に近く、価格はエントリーの「TPM1000」程度になりそうだという。つまり、コストパフォーマンスが大幅にアップしたという。


◆国内外のブランドに対応、タブレットとの連携も簡単に

「TPM-R」は汎用機と呼ばれるだけに、国産乗用車(トヨタ/日産/ホンダ/三菱/スズキ/ダイハツ/マツダ/スバル)、国産トラック(いすゞ/日野/ 三菱ふそう/UDトラック)、輸入乗用車(VW/BMW/アウディ/MINI/メルセデスベンツ/フィアット/アルファロメオ)ものブランドに対応。また、グローバルOBD2を採用したパワートレインにも対応する。

そして診断だけではなく、作業サポート、アクティブテスト、リアルタイムのライブデータの表示、カスタムなどが可能だ。

具体例を挙げれば、ハイブリッド車のブレーキパッドやオイル交換のサポート、タイヤ空気圧モニター付き車両の圧力センサーの登録、エンジンオイルのデータリセット、ミリ波レーダー光軸調整、レーザーレーダー点検、スタータ始動回数クリアとバッテリーデータのリセットなどができる。計測した実測値がわかるため、ハイブリッド車両の二次電池の電圧などをチェックすることもできる。

また、モニターには4.3インチワイドカラー液晶を採用。明るい作業エリアでの視認性を高めるために、黒バックの表示とした。さらにBluetooth連携機能を搭載。スマートフォンやタブレットなどに診断結果を表示することができる。さらに、Bluetooth連携モードへの切り変えも簡単に。そのため、「TPM-R」を使っての整備・点検作業中に、車両の外から窓を開けたりウインカーを点滅させたり、エンジンを始動させる「アクティブテスト」を一人でおこなうことが可能になっている。

コストパフォーマンスの向上だけでなく、操作性の向上により作業効率向上も望むことができる。そんな汎用診断ツールである「TPM-R」の正式なリリースは年内中だという。

《鈴木ケンイチ》

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