【イクリプス AVN-SZX04i】ユーザビリティへのこだわりを開発者に聞く…吉田由美

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
吉田由美さんがドライブしながらその快適性を実感。助手席は開発スタッフの木下功太郎さん。
吉田由美さんがドライブしながらその快適性を実感。助手席は開発スタッフの木下功太郎さん。 全 32 枚 拡大写真

イクリプスの通信機能付き9型大画面カーナビ『AVN-SZX04i』。自動地図更新やセンター情報検索といった通信を活かした新機能もさることながら、大画面ならではの視認性の高い地図や使いやすさに配慮したユーザーインタフェース、映像の迫力や鮮明さ、そして豊富なユーザーカスタマイズなども商品の特長として大々的に打ち出しているポイントだ。

今回、カーライフ・エッセイストの吉田由美さんが自らステアリングを握り、神戸の街をドライブしつつ女性目線でこのナビをインプレッション。ナビシートには本機の開発メンバーの一人である富士通テンの木下功太郎さんが座り、ナビについての吉田さんからの様々な質問に答えてくれた。

◆ボタンの配置にも工夫、爪の先でも反応する感圧式タッチパネル

ドライブの舞台は富士通テンの本社がある神戸市。今回は、新幹線の新神戸駅を出発地点とし、異人館が建ち並ぶ北野からポートアイランド、そして神戸ポートタワーといった名所を巡ることに。

吉田:まずこのナビ、9インチだけにパッと見て画面が大きいですよね。見やすいし、純正カーナビみたいで後付けという感じがしないんです。

木下:大画面のAVN-SZX04iでは、車種別に取付用のパネルをご用意しておりますので、インパネとの一体感にはこだわっています。現在34車種まで対応しています。

吉田:触ってみると、大画面なのに地図のスクロールが早くてストレスなく操作できることにも驚きました。なにか特別な制御でも入れているのでしょうか。

木下:画面に表示されている地図周囲のデータを予め読み込んで、すぐに表示できるように準備をしています。ですからスクロールが指の動きにスムーズについてくる。サクサクと動かせる気持ちよさにこだわりました。

吉田:レスポンスの軽さだけでなく、操作の分かりやすさも印象的でした。いろいろ操作しても「戻る」ボタンが常に同じ位置に表示されていたりとか。

木下:「戻る」だけじゃなく、「完了」ボタンなど「ひとつ前に戻る」「決定する」という基本的なアクションで迷わないよう、同じ位置に表示されるようにこだわっています。ほかに「広域/詳細」ボタンなどよく使うボタンも位置を固定しています。

吉田:私、爪を伸ばしているのですが、液晶パネルは爪の先でも押しやすいですね。最近のスマホは爪先で触れただけではダメで、指で操作しないとうまく認識されないので苦労しているのですが。

木下:スマートフォンやタブレットのタッチパネルの多くは、人の皮膚のように静電気を通す物体が触れると反応する「静電容量式」と呼ばれる方式を採用していますが、AVN-SZX04iはパネルに対して物理的に圧力がかかったことを検知する「感圧式」のタッチパネルを使用していますので爪の先でも反応します。それでいて2本指操作も受けつけるので爪を伸ばされている女性の方でも使いやすいと思いますね。

◆入り組んだ細街路でも最後まで案内

神戸市といえば国道2号や阪神高速、また港湾幹線といった複数の幹線道路が東西を走る一方で、山に面した北中部では、急坂や狭い道、入り組んだ道も多く、道に迷いやすい街だ。

吉田:この地区は観光エリアなのに、路地が多いですね。ちゃんと案内してくれるかな。裏道こそナビが頼りなのに「案内を終了します」っていうパターンだけはカンベンですよ。今回のデモカーはトヨタ『ヴェルファイア』なので、狭い路地でUターンはしたくないですし…。

木下:今回のドライブで最初に設定した目的地は「風見鶏の館」というスポットです。ゴッドフリート・トーマスさんというドイツの貿易商人のかたが居住していた、レンガ造りの建物です。尖塔の上に立つ風見鶏が目印で、この一帯を象徴する建物になっているんですよ。ここは、道が狭いうえに急勾配なので迷ったら大変です。でも、このナビは細街路でも目的地の30m手前までしっかり案内しますよ。

吉田:正しいルートだという確信がなかったら入れない道です。こういう細街路での案内は、案内ルートの色を変えているんですね。あっ、目の前に風見鶏の館が現れました。狭い道では画面を見る余裕もないけど、曲がるところではバッチリのタイミングで音声案内をしてくれるから運転に集中できました。

◆最新のスポット情報を探せる「センター情報検索」、音声検索にもスマホアプリで対応

細街路を抜けると今度は4車線もある大都市ならではの道路を走り、ポートアイランドを目指す。当日はあいにくの雨となったが、視界の悪い悪天候のときこそ、カーナビの真価が問われる。

吉田:次の目的地の設定は自分でやってみますね。検索方法に「フリーワード検索」というのがありますが、普通の「50音検索」とはどう違うのでしょうか。

木下:50音検索は、ナビ内に収録されているスポット情報のリストから検索をかけるのですが、フリーワード情報検索は、通信を使いセンターにアクセスして最新のスポットを検索することができます。

吉田:通信がついたAVN-SZX04iならではの機能ですね。

木下:こちらのフリーワード検索は、より自然な検索ができるようになっていて、例えば「神戸 カフェ」というキーワードで検索してみてください。普通のナビなら店名に「神戸 カフェ」の文字が入っている店しか見つからないところですが、ほら、このナビでは神戸市内にある喫茶店が検索されます。

吉田:ネットでサーチエンジンを使うのと同じ感覚で思いついたキーワードで検索できますね。

木下:検索結果をエリアで絞ったり、並べ替えることもできるんですよ。

吉田:ポートアイランドに到着しました。すごく広々しているところですね。

木下:ここは動物園があったり、外資系の家具屋さんがあったり、また公園があったりと、休日は多くの家族連れで賑わうところです。

吉田:検索と言えば、最近はナビに話しかけて検索できる機種も増えてきていると聞きますが、AVN-SZX04iでも音声検索はあるのでしょうか?

木下:AVN-SZX04iと連携するスマートフォン用エージェントアプリ「カラフル(CarafL)」で対話型の検索が可能です。女の子のキャラクター「ハルカ」ちゃんが目的地検索のお手伝いをしてくれますよ。

吉田:ハルカちゃん、かわいいですね。訪問履歴のあるご当地衣装に着替えられる遊び心もユニークです。さっそく、カラフルで検索してみましょう。「神戸ポートタワーに行きたい!」…あ、認識されました。かなり正確に認識してくれますね。

木下:別体のマイクとハードボタンを車内に設置して、Wi-Fiでスマートフォンとナビとを連携させれば、ナビやスマホの画面を見ることなく、音声だけで目的地設定が可能になります。安全面を考えると、画面を凝視することなく目的地を設定できるというのが一番ですので。

吉田:こんなところにも使いやすさへのこだわりがあるんですね。

◆広い道路ではレーンまで指定してくれるから安心ドライブ

ドライブは最終目的地の神戸ポートタワーへ。複数車線がある幹線道路、しかも慣れない土地での運転は常に気を遣うもの。ここでいかにストレスなくナビゲートしてくれるかが、カーナビの重要な性能指標だ。

吉田:ポートタワーに向けて出発して、広い道路に出ました。2画面分割でレーン案内がたくさん表示されましたよ。

木下:700m先にある右左折ポイントまでの、推奨レーン案内です。しかも、無理なく1車線ずつ車線変更できるように配慮した案内になっていますから、初めて来た街でも安心です。また、AVN-SZX04iは通信で地図を自動で更新するので、新しい道路でもしっかり案内できます。

吉田:神戸の幹線道路は車線がたくさんあるだけでなく、カーブも多くて初めて走ると緊張しますけど、どのレーンにいたらいいか分かる、というのは特に運転に不慣れな女性にとっては嬉しい機能かも知れません。初めて来たところでナビに道がない、というのも焦るので自動地図更新は安心感あります。

木下:音声ガイダンスについては、一律に曲がる交差点の何m手前ということではなく、自車の速度に応じて最適に案内が出るようにタイミングを制御しています。高速道を走っていて80km/h以上になると案内の音量を自動で上げるなど、きめ細かく状況に応じた案内ができるように気を配っているんですよ。音量に関しては、音楽再生時に音量のばらつきがある曲でも一定に調整するイクリプス独自の機能「E-VOLUTION」も搭載しています。

吉田:無事にポートタワーに到着しました。

木下:この辺一帯は、ショッピングモールやホテル、煉瓦倉庫などもある神戸の一大観光エリアです。夜になると、建物やタワーのイルミネーションが水面に反射してとても綺麗なんですよ。

◆こだわりのコーディネートも可能なカスタマイズ機能

ポートタワーで一休みしながら、さらにAVN-SZX04iの機能を調査。話題はカスタマイズや画面の見やすさに移る。

吉田:カーナビはどんどん高機能化・多機能化していますが、こういった製品は機能が多いほど、どうしても操作がわかりにくくなりがちですよね。せっかくの機能が使いこなせなかったり。開発にあたって工夫した点はありますか。

木下:AVN-SZX04iはカスタマイズ性が非常に高いのも特徴の一つで、メニュー画面の項目を自由に変更できます。よく使う機能は人によって違いますが、メニューをカスタマイズすることで、普通ならメニュー階層の奥にある機能をショートカットして呼び出せます。

吉田:そのカスタマイズを試してみましょう。スマホやタブレットみたいに、アイコンを指でドラッグして操作できるんですね。これなら分かりやすい。いろいろ操作していて気がついたんですが、この現在地ボタン、色が次々と変わっていくような?

木下:よく気がついてくださいました。「現在地」ボタンをはじめとする物理ボタンの透過イルミネーションは、バリアブルLEDを採用して、自由に色を変えられるようにしています。それに気がついて欲しくて、ランダムに色が変わっていく設定にしていたんです。

吉田:これなら愛車のインテリアやイルミネーションの色調に合わせてコーディネートできますね。クルマ好きの女子はそういうところにこだわったりしますから、これはポイントの高い機能です。じゃあ、画面の色も変えられるんですか。

木下:地図については、5種類のプリセットから選んで配色を変えられます。また、ルート線の色も変えられますし、自車アイコンを自由に変更することもできますよ。例えばこんな「ひよこ」はいかがでしょう。

吉田:自車アイコンにひよこ…。こんなアイコンがプリセットされているというのも面白いですね。しかも、設定メニューには「カスタム」もありますね。

木下:はい、自車アイコンは新しい物を順次提供していく予定です。好みや愛車に合わせたアイコンで楽しんでいただけると思います。

吉田:使いやすさへのこだわりは、単にボタンを大きくしたり、見やすくしたりする工夫だけではなくて、案内をいかに分かりやすくするかとか、楽しみながら自分らしくカスタマイズできる、というところもポイントなんですね。木下さん初めとするイクリプスのナビの開発に携わっている方々の使いやすさへのこだわりっぷりが今回の取材で分かった気がします。

《山田正昭》

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