インテリアの工夫で2つの世界を演出…デミオ スタイル・コレクション

自動車 ニューモデル 新型車
木村幸奈デザイナー
木村幸奈デザイナー 全 27 枚 拡大写真

マツダ『デミオ』の特別仕様車、「MID CENTURY(ミッド・センチュリー)」と「URBAN STYLISH MODE(アーバン・スタイリッシュ・モード)」。

2つのモデルはいずれも、マツダというブランドやデミオの個性はそのままに、インテリアに変更を加えて独自の世界観を作り出した「スタイル・コレクション」として発売されている。どちらもターゲットとする顧客のライフスタイルを、いっそう充実させる方向の演出だ。

「インテリアの色彩や素材、品質感でいろいろな世界を作っていくというのは、いままでやったことのない挑戦でした」と振り返るのは、デザイン変更を担当したデザイン本部プロダクションデザインスタジオ・カラー&トリムデザイングループの木村幸奈デザイナー。

色彩はインテリアだけで考えるのではなく、エクステリアとのバランスも考慮。このためボディカラーで選べるのはミッド・センチュリーで3色、 アーバン・スタイリッシュ・モードでは5色に絞り込んでいるというのも珍しい。これは「カラーバリエーション展開ではなく、内外装を合わせてトータルコーディネートしたスタイルとして提供したい」(木村デザイナー)という理由によるものだ。

また色だけでなく、樹脂パネルには専用の表面処理も施されている。インパネ中央で左右に大きく伸びる加飾パネルなどの表面には、細かいハニカム調のシボを追加。「従来はツルっとした光沢が特徴でしたが、そこにリズミカルに光が走るようになり、これで高品質感と鮮やかな発色を両立しました」と木村デザイナー。

それでは2車それぞれについて、詳しく聞いていこう。ミッド・センチュリーはビビッドな色彩とモダンアートの雰囲気を融合させ、アーティスティックな雰囲気を強調。赤/白/黒の3色が、強いコントラストを見せる。「アートやデザイン家具を身近に置いているような心地よさ」がテーマだ。

シート形状はノーマル車と同じだが、表皮には独自のエンボス加工が施されている。これは「デザイナーが走り描きしたような線」をパターン化したもの。アートっぽさの演出であると同時に立体感が強調され、イキイキした活動的なイメージを強調している。

いっぽうアーバン・スタイリッシュ・モードのインテリアは、全体的にはシックな印象でまとめられている。おもなターゲットユーザーは女性だが、着飾ったようなファッション性ではなく、海外ファッションモデルの私服スナップを参考にしてコーディネートしたという。

「インパネやコンソールはモノトーンで凛とした雰囲気にまとめました。そこに女性らしい柔らかさを持つムードカラーを加えるという構成です」と木村デザイナー。シートにはストライプがあしらわれ、バックレスト下方と座面奥の部分にはデニム調の表皮を採用。

ここは一見すると真っ黒だが、変形すると白い横糸が顔をのぞかせ、デニムのようにざっくりした表情となる。「スキニージーンズを履きこなして颯爽と歩くイメージです」(木村デザイナー)。「カワイイ」というよりも「カッコイイ」女性を意識した、という言葉にも納得するデザインだ。

ミッド・センチュリーとアーバン・スタイリッシュ・モードの2台が並んでいるのを見ると、それぞれの雰囲気が大きく異なることに驚かされた。柳澤チーフデザイナーは今後のスタイル・コレクションの展開について「これからもデミオの本質や個性は守りながら、新しいことをやっていきたい」と語っている。

《古庄 速人》

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