【スバル BRZ tS 発売】STIがめざす「強靭でしなやかな走り」の正体とは
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森氏は「高い衝突安全性が求められる中で、キャビンは前突・後突・側突・ロールオーバーを含め相当強くなっている。一方でフロントは、クラッシャブル・ゾーンを確保するために2本のアームが出ており、2本のアームのねじり剛性や曲げ剛性はタイヤやサスペンションの性能を100%引き出すために最適な剛性にはなっていない。リアもサスペンション取り付け部の剛性がまだ弱い」と話す。
新型では「フレキシブルドロースティフナー」や「フレキシブルVバー」などの補強パーツを搭載することでボディ剛性のバランスを最適化。操舵に対する応答性をベース比で30%向上させている。この操舵応答性を上げることで”運転が上手くなる走り”につながるという。
森氏は「ハンドルが切ってクルマが動くまでタイムラグがあると、ハンドリングが一発で決まらず車両がグラグラしてヨーやロールも安定しない。それが普通だと思っている方もいるが、それは運転が下手なのではなく”クルマの方が下手”ということ。ドライバーの意思通りクルマが反応し、ハンドルを切った分だけ曲がるといったように、クルマが意のままに動くと同乗者も含めて気持ちのいい走りに繋がる」と述べた。
現在、STIではボディ骨格までのチューニングは行っていない。フレキシブルドロースティフナーやフレキシブルVバーのような後付けパーツで横方向の力への強さを補うが、上下方向にはあまり強くしないことで『強靭でしなやかな走り』を実現しているという。
《橋本 隆志》