【ホンダ レジェンド 試乗】ジェントルな走りを支える細密な制御…島崎七生人

試乗記 国産車
ホンダ レジェンド ハイブリッドEX
ホンダ レジェンド ハイブリッドEX 全 10 枚 拡大写真

ヘッドアップディスプレイが逐次、「SH-AWD」のシステムオペレーションを可視化して伝える。実際の制御の実行は表示以上の細密さだろうが、高度な知見と技術に支えられながらのドライブは、先代以上の“ハイテクなサルーンぶり”だ。

が、いかにも技術オリエンテッドなマシンに乗せられている感はない。あくまでジェントルなフラッグシップモデルとして、快適なドライバビリティが確保されているからだ。その中で意外やハイテク以上に印象的なのは、振幅感応型ダンパーの効果的な仕事ぶり。“いなし”が的確で、低級な角張ったショックが伝わらないのがいい(さらに4本の足を協調させ、うねった路面でのフラットライドが実現すればなおいい)。他方、決めたラインが乱れないコーナリングの安定感は、トルクベクタリングのおかげだ。

ユニークなスイッチのシフト操作は、各ボタンに単機能を割り当てているため、すぐに馴染める。状況が許す限り後輪をモーターが回し、静々と発進。気筒休止も使う3.5リットルのV6エンジンは、折々で仕事をモーターに任せながら、余裕の走りを実現している。走行中にエンジンが“入る”感触もフワッとソフトだ。今回の試乗では、高速巡航を含め14.5km/リットルほどの燃費が確認できた。

豊かだが低音が強過ぎず心地いいKRELL社のオーディオの、自宅のハイエンドオーディオにも通じる質の高い音にも聴き入った。走行中、必要に応じてマルチインフォメーションディスプレイにクルマ側が表示してくるメッセージは100をゆうに超えるパターンがあり、的確に警告、指示を発してくれる。

後席ドアガラス用のサンシェイドは、手動ながらメイン部分を操作すると、連動して三角窓部分のシェイドもせり出してくる仕組みで、1度の操作で済む。トランクはHVながらこのクラスのサルーンに望みたい容量をまずまず確保している。たっぷりしたシートサイズと楽な着座姿勢の後席の居心地のよさも魅力だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る