高速道路各社が過積載取り締まりを強化…悪質違反者初の告発も

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大型車への取り締まりは一段と厳しくなる
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 道路構造物を劣化させる主要因に挙げられる重量超過車両。こうした車両の通行抑制に、日本高速道路保有・債務返済機構と高速道路各社などが本腰を入れ始めた。過積載など道路法に基づく車両制限令に違反する車両への指導・取り締まりを今春から強化。国の実施方針に基づき、6月に入って関東と関西で悪質な重量超過車両の運転手と雇用者を警察に初めて告発した。多くの重車両が行き交う工事現場を管理する建設会社にとっても、協力会社を含めたコンプライアンス(法令順守)の徹底が求められている。

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 全国の道路と鉄道を合わせた陸上交通網の総延長に対する高速道路の割合は1%程度(開通延長約7920キロ、12年度時点)に過ぎないが、全陸上貨物輸送量に対する高速道路の分担率は50%近くに上る。ここ数年で高速道路の開通延長は9000キロに達し、その利便性と重要性は一段と高まっている。

 高度経済成長期の1970年以降、高速道路ではネットワークの拡充に伴って大型車の走行台数が急増。93年の車両制限令の規制が緩和されてからは、車両の総重量の増大傾向が強まり、高速道路の使用環境は厳しさを増している。

 道路を保全し、交通の危険を防止するため、通行車両は車両制限令によって幅、重量、高さ、長さなどの最高限度が規定されている。高速道路機構では、最高限度を超える特殊車両の通行許可を行う一方、高速道路各社と連携し、違反車両の取り締まりを実施。違反を確認した場合に高速道路からの退出を命じる措置命令(行政処分)の件数は年間5000件を超えるという。

 違反の多くは過積載による重量超過車両だ。4月からは悪質違反者への対応基準を明確化し、積み荷の軽減措置や、許可を取得するまでの間の通行中止を命じる措置を講じる。

 重大な違反行為に対しては違反車両の運行会社などに警告書で指導。さらに繰り返し違反行為を行った場合には管轄の高速道路会社で対面による是正指導を行う。それでも改善が不十分とされる企業については社名を同機構のホームページで公表し、関係機関と調整した上で告発する。

 東日本、中日本、西日本の高速道路3社は、「車限隊」と呼ぶ専門組織を設け、年間延べ4000回程度の取り締まりを機動的に実施している。11~13年度に取り締まった大型車のうち約25%が総重量を超過している違反車両だったという。

 重量超過車両の通行は道路構造物への負荷が大きく、特に橋梁に大きなダメージを与える。社会・経済活動を支える交通ネットワークとしての機能を維持するためには、劣化・老朽化した道路構造物の更新と併せ、重量超過車両の通行抑制が喫緊の課題となる。

 国土交通省は昨年5月、悪質違反者への厳罰対応などを盛り込んだ「道路の老朽化対策に向けた大型車の通行の適正化方針」を策定。その具体策として今年1月、車両総重量が車両制限令が定める一般的制限値の2倍以上の重量超過車両については悪質違反者として「即時告発」するとの方針を打ち出し、2月から実施に移した。

 高速道路機構と高速道路6会社もこの方針を踏まえ、4月から悪質違反者への厳罰化に乗りだした。

 4月14日、東関東自動車道下り線の宮野木本線料金所(千葉市花見川区)で、車両制限令で定められた一般的制限値25トンを大きく超える車両総重量82.05トンの大型トレーラーを摘発。同機構と東日本高速会社は今月3日、車両を通行させた運転手と、雇用主の運送会社を千葉県警に告発した。

 同じ4月14日、第二神明道路上り線の明石西本線料金所(兵庫県明石市魚住町)では車両総重量53.35トンの大型トレーラーを摘発し、同機構と西日本高速会社が6月3日に運転手と運送会社を兵庫県警に告発した。

 宮野木本線料金所で摘発された違反車両の運送会社は、過去にも多くの道路法違反が確認され、13回にわたって改善指導を実施。これまでは告発を見送ってきたが、実施方針を受けて告発に踏み切った。

 同社の廣瀬博社長は「過積載車両が構造物に与える影響は大きく、多額の更新費用を投じて大規模更新・修繕事業を進めようとしている中、1台でもこうした違反車両が通ることは許されない。関係先と連携・協力して厳正に対処していく」と話している。

 高速道路各社は取り締まりの強化と併せ、再発防止策の充実にも取り組んでいる。従来各社で行っていた違反講習会に加え、6社共通基準による指導体制を確立。重量超過車両を確実、容易に特定できるシステムも構築し、導入箇所を順次拡大する。

 過積載車両を漏れなく摘発し、悪質違反者を厳しく指導する体制整備に力を入れる。

高速道路各社/過積載取り締まり強化/関東・関西で悪質違反者初告発

《日刊建設工業新聞》

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