【INDYCAR 第12戦】ブルデー快勝、今季2勝目を達成…佐藤琢磨は14位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
#11 ブルデーが今季2勝目をマーク(写真先頭)。
#11 ブルデーが今季2勝目をマーク(写真先頭)。 全 8 枚 拡大写真

インディカー・シリーズ第12戦は現地12日、米ウィスコンシン州の「ザ・ミルウォーキー・マイル」で決勝レースを行ない、セバスチャン・ブルデーが優勝、今季2勝目を飾った。佐藤琢磨は14位。

1世紀以上ともいわれる歴史と伝統を有する全長約1マイル(約1.6km)のショートオーバルコースを舞台に、250周で争われた今季第12戦決勝。約1分で3周というめまぐるしさのなかで展開されたレースは、中間点目前の114周目頃にマシントラブルでスロー走行~ストップしたマシンがあったことによる最初のフルコースコーションが発生したのだが、この時の戦略判断が最終的な勝利の行方を左右することになった。

ここで上位の大半がピットインを選ぶなか、コースにとどまってトップに浮上したのがブルデー(#11 KVSH Racing/シボレー)。他の上位陣とはレース後半のピット時期がズレる格好となったが、その後の展開のなかでこの時の判断が正解の度を増していくことになる。コースの短さと戦略のズレにより、一時は全車を見た目上の周回遅れにする場面もあるなど、ブルデーはレース後半をほぼ完全に支配し、そのまま勝利を飾った。

「チームスタッフが素晴らしいマシンを与えてくれたので、『いい週末になる』と感じていた」というブルデーだが、予選では11位と出遅れ気味。それだけに「こういった(1周の短い)オーバルでは、ヒーロー(Hero)からゼロ(Zero)になることもあれば、ヒーローへと戻ることもあり得るものなんだ。それが今日の僕のストーリーだったと思うよ」と語り、第8戦以来の今季2勝目を喜んだ。

決勝2位には、出走手順に関する規定違反により予選不出走、最後尾24番グリッドからスタートしたエリオ・カストロネベス(#3 Team Penske/シボレー)が入った。3位はホンダ勢最上位のグレアム・レイホール(#15 Rahal Letterman Lanigan Racing)。

4位にはポイントリーダーのファン・パブロ・モントーヤ(#2 Team Penske/シボレー)が入り、その座をキープ。ポイント2位に上がってきたスコット・ディクソン(#9 Chip Ganassi Racing/シボレー=今回決勝7位)とは54点差、通常の優勝1回分以上の差がついている状況である。残り4戦、このままモントーヤが逃げ切れるかどうかが注目されるところだ。

決勝5位はポール発進だったジョセフ・ニューガーデン(#67 CFH Racing/シボレー)、6位はトニー・カナーン(#10 Chip Ganassi Racing/シボレー)。手痛いレースとなったのは、前年王者ウィル・パワー(#1 Team Penske/シボレー)である。他車のスピンによるもらい事故でクラッシュして戦線離脱(順位は22位)、彼はポイントランクで2位から5位へと後退することになっている(首位モントーヤとは70点差)。

今回の第12戦は決勝前日の走行がフリー走行のみで、予選は決勝日に実施という変則フォーマットだったが、佐藤琢磨(#14 A.J.Foyt Racing/ホンダ)は初日のフリー走行で3番手タイムと好発進。予選日の朝のフリー走行でも5番手と好調維持に思われる状況だったが、2周連続アタックのアベレージスピードで順位を決めるシングルカークオリファイではもうひとつ伸びず、予選13位という結果に甘んじて決勝を迎えた。

決勝でも琢磨は浮上のきっかけをつかめず、早い段階で周回遅れになるなど20番手近いポジションでの走行が続く。それでも終盤、なんとかトップ同一周回(リードラップ)に復帰し、ひと桁順位も見えてはきていたのだが、ラストのピットインで作業ロスタイムがあって順位後退、最終的に14位だった。

佐藤琢磨のコメント
「長く厳しいレースでしたね。スタート直後のマシンは非常にドライビングが難しい状態で、最初のピットストップまでに順位を大きく落としてしまいました。そのうえ、ピットストップに時間がかかったため、周回遅れの状況に陥りました。

その後はリードラップに戻るべく全力で追い上げました。ウイング調整したことでトップグループに匹敵するスピードで走ることもできたのですが、(最初の)フルコースコーションでコース上に残る作戦を採用した1台(優勝するブルデー)が自分の前を走り続ける状況になったこともあり、なかなかリードラップには戻れませんでした。

それでも(最終的にリードラップに戻り)トップ10でゴールできるチャンスを手に入れ、最後のピットストップ後にはさらに順位を上げることを狙っていました。ところがタイヤ交換でトラブルが発生し、10番手でピットインしたのに15番手まで後退することとなってしまい、その後1台は抜きましたが14位でのゴールに。悔しいレースでしたね」

ブルデーの採った作戦が琢磨にとって厳しい状況につながるなど、苦戦のうえに展開のアヤにも恵まれない決勝レースだった。なお、予選では「フリー走行時より気温と路温が上がり、マシンがグリップダウンして滑りやすかった」ことが失速原因だった模様。フリー走行の順位が良かっただけに残念な一戦だった。

ショートオーバル連戦となる次戦第13戦は、「アイオワ・スピードウェイ」にて現地18日決勝予定のスケジュールで開催される。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  4. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る