【マイスターに聞く】金型補修溶接の職人技をどう伝えるか

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川勝溶工所・川勝親社長
川勝溶工所・川勝親社長 全 1 枚 拡大写真

 川勝親さん(55)は川勝溶工所(大阪府東大阪市、06-6781-1873)の社長であり、唯一の溶接職人でもある。専門は肉盛り溶接による金型補修だ。町工場が多く集まる東大阪市の高井田地区にある同社には、周辺企業から、割れたり傷ついたりした金型部品が次々に持ち込まれる。

 部品を見ながら材質や用途、どんな加工を施すかなど、顧客といくつかの問答をした後、納期や見積もりを即答する。大抵の場合、納期は当日中か翌日だ。1分程度の問答の間に「どんな材料と方法で補修できるかを考え、判断する」。

 「手の作業を器用にするだけでなく、正しい判断をすることも技能の一つで、失敗と試行錯誤を積み重ねた結果、身につく」という。持ち込まれる金型部品も何らかの失敗の結果、割れたりしたものが多い。なぜ割れたのかを考え、肉盛りする材料の強度や粘り、加工方法を判断し、実際にやってみる。「机上では学べない技能」と強調する。

 祖父から3代続く溶接工で、15歳から見習いを始めて40年間、溶接工を続けてきた。父親からは道具や作業場の使い方などを一から教わった。危険を伴う仕事のため教え方は厳しかったが、「それに反発して向上心が生まれた」という。

 同社に後継者はいないが、自分の技能を伝え残したいとの思いもあり、同業の若い職人に加工方法を教えることがある。「疑問を持って尋ねる人は覚えが早い。同業者と共存することで技術や技能を残すことができる」と考えている。

 自らも月一度、母校の近畿大学に同業者や教授と集まって勉強会を開き、新しい材料や加工法についての知識を仕入れる。「視力が落ちると溶接工の腕が鈍る」からと、眼科にも通い、身体能力の維持にも気を配る。

【マイスターに聞く】川勝溶工所社長・川勝親さん(金型補修溶接)―同業者と共存、技術・技能残す

《日刊工業新聞》

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