【VW パッケージ比較】同じMQBプラットフォームを使う パサート は“大きな ゴルフ ”なのか?

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VW パサートヴァリアント
VW パサートヴァリアント 全 17 枚 拡大写真

VWのセダン/ワゴン系のフラッグシップモデル、『パサート』が8代目の新型となった。

【画像全17枚】

ここではパサートヴァリアントと、弟分とも言える、しかし先にデビューした『ゴルフヴァリアント』を比較したい。

現行型ゴルフ7はVWの一大戦略、次世代プラットフォーム「MQB」を採用した第一弾。その完成度の高さはなるほど、同クラスのベンチマークたり続けるものだ。その第二弾がこのパサートであり、つまり、プラットフォームを含めた基本部分の共通項は極めて多い。

新型パサートヴァリアントのボディーサイズは全長4775×全幅1830×全高1485mm(HighlineとR-Lineは全高が1510mm)。ホイールベース2790mm。先代より10mm短く、10mm幅広く、45mm低いプロポーション。ボディーが代を重ねるごとに巨大化していくのが常識の中にあって、空力性能や燃費を優先した英断と言える。

MQBプラットフォームがゴルフヴァリアントと同じということは、サスペンションもまた同一。Fストラット、R4リンクとなる。エンジンは形式名こそ別物だが、1.4Lターボというダウンサイズターボユニットであることは変わらない。スペックは最高出力こそ150ps/5000~6000rpmと、車格に合わせゴルフヴァリアントより10ps増しになっているものの、最大トルクは25.5kg-m/1500~3500rpmと、ゴルフヴァリアントとまったく同じである。ミッションが7速DSGである点も同様だ(ギア比は車重に考慮して加速重視になっている)。

もっとも、最新モデルらしく、そしてゴルフヴァリアントとまったく同じ全高を持つ低く幅広いボディー形状によって(ルーフレールは埋め込み式に変更/使い勝手は先代、ゴルフヴァリアントのブリッジ式が勝るが)、空気抵抗値は先代の0.298から0.280に向上したこともあり、モード燃費はゴルフヴァリアントのハイラインの19.5km/リットルをしのぐ、クラス最高レベルの20.4km/リットルを達成しているのだから偉い。

パッケージ面のハイライトは、先代より30mm以上増した室内長に代表される室内空間のゆとりである。ゴルフヴァリアントの後席はお世辞にも広いとは言えないが、パサートヴァリアントは2ランク上の余裕がある。身長172cmのリポーターのドライビングポジションの背後に着座した時のスペースは、ゴルフヴァリアントが頭上に180mm、ひざ回りに160mm。一方、パサートヴァリアントなら頭上方向こそまったく同じ180mmながら(サンルート非装着車)、ひざ回りスペースはなんと足がゆったり組める250mmに達するのだ。しかもシートのかけ心地、背もたれの角度が絶妙で、後席側も独立温度調整できるトリプルゾーンエアコンもコンフォートライン以上に装備するため、快適感、居心地のよさに関しては大きな差があると断言できる(乗り心地含む)。

ラゲッジの広さも格上だ。開口部地上高はゴルフヴァリアントよりわずかに低い欧州ステーションワゴンの標準値と言える620mm(ゴルフヴァリアントは630mm)。高さ方向は薄いボディーになったおかげでゴルフヴァリアントが勝るが、開口部幅は40mm増し。通常奥行き1140mm、最大フロア奥行き1750mm、幅995~1440mmと、ゴルフヴァリアントのそれぞれ1050mm、1660mm、990~1270mmを大きく凌ぐ寸法になる。実際、容量はパサートヴァリアントが通常650リットル、最大1780リットル、ゴルフヴァリアント通常605リットル、最大1620リットルである。

ただし、ゴルフヴァリアントで目からうろこの、ラゲッジボードをA字に畳むことで後席背後に独立した荷物&愛犬用スペースを作るアレンジはなし。パサートヴァリアントの場合はボードを上下2段にセットすることが可能で、高さ方向をアレンジできるのみである。

装備面ではこれまでライバルにあってパサートにはなかった、足でリヤバンパー下のセンサーに触れることでテールゲートを開閉できるイージーオープン機構付きパワーテールゲート、進化版ディスカバリープロ(多機能ナビゲーションシステム)、そして世界初、VW初を含む先進安全装備の充実度も見逃せないポイントだ。

プラットフォーム、エンジン、ミッション、サスペンションなどがゴルフヴァリアントと共通する(押し出し感のなさも?)新型パサートヴァリアントだが、上級モデルらしさはあちこちにちりばめられている。しかも、歩行者検知自動ブレーキ、後退時自動ブレーキ、先代になかったACC(アダプティブクルーズコントロール)、世界初の渋滞時追従支援システムなどが全グレードに標準装備されることを踏まえると、348.99万円からの価格設定は、ゴルフヴァリアント ハイラインの346.7万円はもちろん、同クラスのドイツ製ステーションワゴンに比べ、これはもう格安と言うしかない(BMW『3シリーズツーリング』449万円~、ベンツ『Cクラスステーションワゴン アバンギャルド』539万円~、アウディ『A4アバント』496万円~)。

新型パサートヴァリアントは、上級ステーションワゴンとしての派手さ、華やかさ、押し出し感にはやや欠けるものの、安全・安心装備満載かつ、後席が広く快適で、燃費のいい輸入本格ステーションワゴンを探している人にとって、まさに格好の大穴的チョイスではないだろうか。そして決して大きなゴルフヴァリアント!? でないことは、VWステーションワゴンのフラッグシップモデルとして最新・最先端の装備をふんだんにおごっていることからも、分かるというものだ。

《青山尚暉》

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