三菱重工業と三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、長崎造船所と長崎工場を再編すると発表した。
防衛・宇宙と火力発電設備関連の製品ごとに製造場所を集約して生産性向上を図ることで、技術やコスト、効率などの面で国際競争力を強化するのが目的。2017年度末に再編を完了する予定。
三菱重工の長崎造船所には、防衛省、宇宙航空研究開発機構(JAXA)向け特殊機械事業を集約し、製造基盤を強化するとともに、厳格な情報保全体制を構築する。
具体的には、機械加工と艦船搭載機器の組立試験を中心とする幸町工場の全事業を諫早工場に移転する一方で、防衛省向け水中機器と艦船搭載機器、JAXA向け宇宙機器の製造を集約する。併せて、本工場(飽の浦地区)の管理・設計部門も諫早工場に移転する。
MHPSの長崎工場は、飽の浦地区、香焼地区、幸町地区に分散する蒸気タービン製造部門とボイラー製造部門の機能を、それぞれ一つの場所に集約する。工場運営のスピード化・効率化を図る。蒸気タービン製造部門を集約する飽の浦地区では、蒸気タービン加工・組立ラインを再配置するとともに、舶用ディーゼルエンジン用過給機「MET過給機」の生産性向上を図る。
また、ボイラー製造部門を集約する香焼地区では、IGCC(石炭ガス化複合発電)ガス化炉の一貫生産体制などを整備する。
三菱重工とMHPSは、全面移転完了後の幸町工場/幸町地区の活用方法を含め、長崎造船所、長崎工場での事業効率化追求に向けて検討していく。