日立、イギリスで鉄道運行管理システムを初受注
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テムズリンクは、ロンドンの中心部を貫いて南部のブライトンと北部のベッドフォードを結ぶ線を主体とする通勤路線。発表によると、日立による鉄道運行管理システムはまずロンドン中心部のブラックフライアーズ駅からセントパンクラス駅までの区間と、その南北約20分のエリアに導入され、2017年から一部区間、2018年には全面的に運用を開始する予定という。
英国では2010年から全国の在来線を対象とする運行管理システム更新プロジェクトが検討されており、日立は2012年に運行管理システムのプロトタイプを受注していた。今回のシステムはテムズリンクのほか、他線にもオプションとして納入される可能性があるという。
ネットワーク・レールによると、同システムの導入により、ブラックフライアーズ~セントパンクラス間で1時間あたり上下各24本の運行が可能になる。同線の改良を行う「テムズリンク・プログラム」のディレクター、サイモン・ブランチフラワー氏は、同システムの導入により「利用者への情報提供の充実や、運行遅延からの早期回復の実現など、非常に高い信頼性で鉄道運行を実現することが可能になります」とコメントしている。
日立の運行管理システムは、通常運行では柔軟で安定した運行管理、遅延などの混乱時にも最適な運行スケジュールを再構築することで早急なダイヤの復旧を実現するといい、日本では首都圏や新幹線など多くの路線で30年以上の実績があるという。
テムズリンクは英国でも特に利用者数の多い路線の一つで、運行システムの改良をはじめ、最大12両編成の新型電車導入や駅の改良、他の主要路線である東海岸本線と接続するトンネルの整備など、各種の改良プロジェクトが2018年の完成を目指して進んでいる。同線は現在「ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ(Govia Thameslink Railway)」が運行を行っている。
《小佐野カゲトシ@RailPlanet》