副首相更迭、ナジブ首相への批判高まる…ムヒディン氏逆襲の可能性も

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マレーシアのナジブ・ラザク首相(参考画像)
マレーシアのナジブ・ラザク首相(参考画像) 全 1 枚 拡大写真

28日に発表された突然の内閣改造人事でムヒディン・ヤシン副首相が更迭されたことで、ムヒディン氏に同情が集まりナジブ首相に逆風が吹いている。

1MDB問題に厳しい姿勢をとっていたムヒディン氏を厄介払いした格好だが、世論の動向を見誤ったのではないかとの指摘の声が上がっている。内閣改造を発表した直後からナジブ首相のフェイスブックには辞任を求める書き込みが殺到している。わずか18時間の間に4万4000人以上がコメントし、ほとんどが辞任を求めている。こうしたコメントはその後も増え続けている。

一方、ムヒディン氏のフェイスブックには、わずか4時間で9万人がムヒディン氏を支持する書き込みが殺到。先週に比べてムヒディン氏のフェイスブックへのアクセス数は27%も増加している。

野党・民主行動党(DAP)、人民正義党(PKR)、PASから分離した進歩派による新会派「ゲラカン・ハラパン・バル(新たな希望ムーブメント=GHB)」は共同会見を開き、政治危機に対処するために次期国会でナジブ首相に対する不信任案を提出する考えを明らかにした。暫定政府を設立して選挙改革、1MDB問題の徹底追及などを求めており、与党連合・国民戦線(BN)所属の議員にも同調を呼び掛けている。

ムヒディン氏は一夜明けた29日に記者会見を開き、当日の発表直前になって初めて出張先で電話にて内閣改造を知らされたと明らかにした。急いでクアラルンプール(KL)に戻ってナジブ首相に会い、自分が更迭されるのかと尋ねたところ、ナジブ首相は黙ってうなずいたという。

ナジブ首相への攻撃を続けているマハティール・モハマド元首相との共闘の可能性については、マハティール氏と同じ土台に立っているかどうかは重要でなく、すべての国民のためにベストを尽くすだけだと言明。その一方、自分がいまだ与党第一党・統一マレー国民組織(UMNO)の副総裁の職を担っている責任上から、閣外に去ってもナジブ首相に協力しない理由はないとも述べた。

伊藤 祐介

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