ヤマハ発動機は7月29日、電動バイク『E-Vino(イービーノ)』の発表試乗会を行った。その席上、SPV事業部の藤田博一プロジェクトリーダーは「使いやすくて親しみやすく優しい車両を目指した」と強調した。
その一つの特徴は出足のスムーズさと言っていいだろう。実際に乗ってみると、それがよくわかり、トルクのある電動車両特有の加速感はほとんど感じられない。ゴルフカートのようなイメージで、非常に安心感を与えてくれる。これならバイクに乗るのが怖いと思っている女性も自転車感覚で乗れるに違いない。
ターゲットユーザーも若い女性、ビギナー、シニアとしており、走る楽しさよりも使い勝手を優先したオートバイといえる。シート下の収納スペースも非常の縦長でフランスパンのような長いものでも楽々納めることができ、買い物には非常に便利だ。ただ、幅広いものを入れるには不向きで、ヘルメットの収納ができないのが難点だ。
同社では9月~10月にかけてイオンモールをはじめとした商業施設で『イービーノ』の試乗会を開き、新しいユーザーの獲得を目指す。特に普通免許を持っている女性には積極的に電動バイクの良さをPRしていくという。
電動バイクの市場は年間約6000台で、二輪車市場の1%程度と低調な状況が続いている。ヤマハ発動機としては、この『イービーノ』を契機に電動バイクの市場拡大を図り、ゆくゆくは排気量のあるバイクへの購入につなげ、二輪市場全体を活性化していきたい考えのようだ。