【ボルボ V40 ディーゼル 試乗】ちょっとイビツなバランスにしびれる…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
ボルボ V40 D4
ボルボ V40 D4 全 8 枚 拡大写真

とんでもなく速い! それもそのはず。ボルボの『V40 D4』に新たに搭載された2リットル4気筒のディーゼル・ターボ・エンジンは、最高出力140kW(190馬力)/最大トルク400Nm。最高出力はそれほどではないものの、トルクがたっぷりある。

どちらかと言えば、サイズ的に『XC60』にこそピタリとくるユニットだ。それを、XC60よりも小さく軽いV40に載せたのだから、当然、恐るべき俊足マシンとなる。

ただし、足回りは俊敏というよりも安定志向。ワインディングを攻めるスポーティなクルマというよりも、高速道路で遠出するGT(グランドツアラー)として使うのがよいだろう。燃料が安い軽油というのもロングドライブ派には嬉しいポイントだ。

ちなみに、従来V40に搭載されていた主力ユニットは1.6リットルのガソリン・ターボ・エンジン(最高出力180馬力/最大トルク240Nm)。今回のパワートレイン刷新で、代わりに1.5リットル直列4気筒ターボ「T3」エンジン(最高出力152馬力/最大トルク250Nm)が9月1日より発売される。

正直、V40のサイズを考えれば、こちらの方がバランスはとれていると思う。ディーゼル・エンジンでは、パワートレインが突出している。つまり、ちょっとイビツなのだ。しかしあえて格上のパワートレインを載せてバランスを崩すことで、従来のイメージを打ち破る新しい魅力=グランドツアラーを創造した。新型ディーゼル・エンジンがV40の世界を広げたのだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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