【BMW 2シリーズ アクティブツアラー 試乗】いつの間にやらビュンビュン系のファミリーカーに…中村孝仁

試乗記 輸入車
BMW 218dアクティブツアラー
BMW 218dアクティブツアラー 全 12 枚 拡大写真

BMWの『2シリーズ アクティブツアラー』が日本にローンチされた時、やっぱりBMWはまだまだFWDの作り方に慣れてないなぁ…と思ったものだ。

ところがあれからわずか半年で、BMWは何らかのアップデートを施したのか、新たにディーゼルが搭載された『218dアクティブツアラー』は、有無を言わさぬ文句なしのハンドリングを備えていた。

まずはエンジンである。B系(正確にはB48) のエンジンは、これまでMINIや『3シリーズ』に搭載されていたN系のディーゼルとは異なる。そもそもここからして開発のテンポが凄まじく速いと感じさせた。今回のディーゼルは静かで滑らか(従来比)である。

ご存知の通り、このツアラー系には新たに『グランツアラー』なるモデルが追加設定されている。 こちらは3列7人乗りの室内を持つモデルで、当然ボディもホイールべースで110mm長く、車重も110kg重いから、2座5人乗りのアクティブツアラーと比較した場合、初期の加速感が違う。

実はこの2台、同じ日に同時試乗したので、初めに乗ったグランツアラーでも何ら性能的不満がなかったのだが、いざアクティブツアラーに乗り換えてみると、逆に「速いじゃん」という印象となってしまうのである。短いホイールベースならびに全長は、当然ながら運動性能にも好結果をもたらしている。元々ファミリー系でおっとり走るFWDなんだなと半年前は思っていたのだが、今やトルクフルなディーゼルを得たこのクルマは、ビュンビュン系の走り屋さんも満足させるMPVへと進化を遂げていた。

一つ小さな薀蓄を。何故かリアのワイパーはアクティブツアラーだとリアのルーフスポイラーに格納されているのに対し、グランツアラーの方はリアウィンドー下に普通のワイパーが装備される。3列目の室内空間を確保する関係から、バックドアはグランツアラーの方が立ち気味で、当然グラスエリアも狭い。それでいてグランツアラーは空力を重視したためルーフスポイラーが小さく、ワイパーが収まらないためにごく普通のワイパーが下から生えているそうだ。大したことではないが、アクティブツアラーのワイパーは大きく払拭エリアが大きいので後方視界が良いのである。

とまあ、どうしても3列シートが必要な人は別として、通常は5人乗りで十分というユーザーは、いざという時のための3列目を取るか、軽快で快適な走りと広いラゲッジスペースを取るかの選択になると思うのだが、個人的には文句なく後者。つまりアクティブツアラーがお勧めだ。ガソリン車との価格差も小さく、その分補助金も小さくなるが、圧倒的にトルクフルで乗り易いディーゼルと、何故か初期のガソリン車とはまるで印象の異なる運動性能を手に入れた218dアクティブツアラーは、かなりそそられるファミリーモデルに変貌している。個人的には相当にお勧めのクルマだ。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★★
インテリア居住性 ★★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来37年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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