【トヨタ シエンタ 試乗】ネットネイティブ世代にもしっくりくる…岩貞るみこ

試乗記 国産車
トヨタ シエンタ
トヨタ シエンタ 全 16 枚 拡大写真

大学生の男子にアンケートをとると、クルマはミニバンがいいという答えが思いのほか多い。シェアハウスが人気という世代は、彼女とふたりきりより、遊ぶときは仲間もいっしょのほうが楽しいんだろうな、きっと。

『シエンタ』が、驚くべきデザイン変更をしてきた。ヘッドライトから下に伸びるような大胆なラインは、オプション装着車の特別仕様だと思ったらスタンダードモデルなので、びっくりである。ただ、一瞬、奇抜な顔つきも、背の高さと、やわらかな面で構成された全体のボディラインにうまく吸収されて、すとんと腑に落ちる。

インテリアはオレンジのあしらいが秀逸。ダッシュボードに横一本、パイピングのように細く入れたほか、グローブボックスの手を入れるあたりにオレンジの面積を多くとっているものの、ここをキルティング加工のような凹凸をつけることで落ち着きのある仕立てにしたところなど、うまいなあとうなってしまう。メーターの配置、エアコンスイッチの質感なども、スマホづかいに長けたネットネイティブ世代にもしっくりくる。

試乗したHVは加速がなめらかでトルクもある。パワステも適度な手ごたえで操作しやすく、同じタイミングで試乗したガソリン車が、全体的に重く感じてしまうほどだ。いや、ガソリン車には価格面を含め、いいところはあるのだが。さらにHVはユニットが床下にあるため重心が低く、走りに安定感がある。

ただ、重箱の隅をつつけば、EVモードのスイッチがハンドルのうしろにあって見つけにくいとか、シートリフターのレバーがちゃちいとか、ハンドルが遠いからテレスコピックはもうこのクラスでもマストでしょ、とかいろいろある。

けれど、このデザインとシートアレンジのしやすさと、両側スライドドアの使いやすさは、シェアハウス族の移動も、スポーツチームに属する子どもの送り迎えも、荷物たくさん積みたい若手カップルにも、文句なしに使いやすいと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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