【アウディ Q3 試乗】勾配も感じさせないほどの俊敏さ…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
アウディ Q3
アウディ Q3 全 12 枚 拡大写真
背の高いSUVに対峙したときに感じるのは、重量感あふれる存在感だ。『Q3』の場合、ドアを開けたときの重厚な感触も、閉めたときの密閉感も、座って目の前に広がる質感あふれるインテリアも、どっしりとした質量を感じずにはいられない。

けれど、走り出したとたんに、その印象は一変する。アクセルを踏んだとたん、エンジンがかろやかにこの重量物を前に押しやるのだ。しかもなんのためらいもなく。

パワーアップした2.0TFSIエンジンは、10psの出力向上と、それに対して燃費が18%向上しているというのが売りである。けれど、アタマで理解するそんな数字よりも、体や感情のほうが明らかに実感する。

軽い。とにかく軽い。4WDなんだし、もう少しずしりとした重さがあるはずなのにと思いつつ、たしかに足元の食いつきは感じながらも、上りのワインディングは勾配を感じさせないほどの俊敏さで駆け上がっていく。

そんな走りの味付けは、ドライブセレクトで面白いように変化する。効率のエフィシェンシーにすれば、おとなしめのおりこうさんになるし、ダイナミックにすると、がつんと攻撃的になる。このダイナミック、Q3の品のある佇まいで油断していると、こんな一面もあるのかと惚れ直すことになる。

残念なのは、切り替えるスイッチがセンターパネルの左のほうにあって、腕を伸ばしてやっと届く位置にあるということ。もう少し、使いやすい場所にあったら、ちょこちょこいじってもっと楽しめるのにな。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
  3. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  4. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  5. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る