JR北海道、留萌線を来年度中に一部廃止へ…留萌~増毛間の約17km

鉄道 企業動向
留萌本線留萌~瀬越間を行くキハ54形の普通列車。現在、留萌~増毛間の普通列車は上下合わせて13本が設定されているが、並行するバスは1.7倍近くの本数が運行されている。
留萌本線留萌~瀬越間を行くキハ54形の普通列車。現在、留萌~増毛間の普通列車は上下合わせて13本が設定されているが、並行するバスは1.7倍近くの本数が運行されている。 全 2 枚 拡大写真

JR北海道は8月10日、留萌本線留萌~増毛間16.7kmを廃止する方針を正式に表明した。沿線の留萌市長と増毛町長に廃止の方針を説明しており、2016年度中にも廃止される見込みだ。

留萌本線は、深川~留萌~増毛間66.8kmを結ぶ鉄道路線。このうち海沿いの留萌~増毛間は1921年11月5日に開業しており、93年以上の歴史を持つ。

JR北海道によると、留萌~増毛間の1日1kmの平均通過人員(旅客輸送密度)は2014年度が39人で、同社発足時の12分の1以下に減少。営業収入は2013年度が700万円程度だったのに対し、経費はその25倍以上に達し、年間1億6000万円以上の赤字になっている。

加えて、近年では箸別~増毛間で融雪期に雪や土砂が斜面から線路に乗り上げ、長期運休を余儀なくされることが続いており、2005年3月と2012年3月には列車が流入した雪や土砂に乗り上げて脱線する事故が発生している。大雨などによる土砂崩壊もたびたび発生しており、安全確保に要する防災工事費は数10億円が必要になるという。

また、留萌~増毛間では1日に上下合わせて13本の列車が運行されているが、並行する沿岸バスは22本が運行されており、こちらの利用者の方が多いという。

こうしたことからJR北海道は、同区間の鉄道を維持することが困難だとして、2016年度中に廃止する方針を固めた。同社は「鉄道事業廃止後の沿線の地域振興については、弊社としてもできうる限り協力して参る所存」としている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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