任天堂の新ゲーム機「NX」…キーワードは健康管理とスマホ連携

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【大予想】任天堂の「NX」はどんなゲーム機なのか―過去情報や近年動向から分析
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2015年3月17日、任天堂はディー・エヌ・エーと共同で開催した「業務・資本提携共同記者発表会」にて、スマートデバイスと連動する、全く新しいコンセプトのゲーム専用機プラットフォーム「NX」を発表しました。

今後任天堂は、自社IPを活用したスマートデバイス向けゲームアプリの開発・販売を行いつつも、今までの方針通り、ゲーム人口を拡大し、ゲーム専用機に慣れ親しむゲームファンのためのハードを開発していくとのこと。また、このNXはニンテンドー3DS及びWii Uの後継機ではない事も強調しています。

※「業務・資本提携共同記者発表会」より引用
しかしながら、NXに関する続報は2016年以降になると伝えられており、NXにはどのような機能が搭載されているのか、どのようなデザインになるのか、あるいは、どのようなゲームがリリースされるのか、全ては謎のベールに包まれたままです。

そこで今回は、NXに関する既出情報や、近年における任天堂の動向を参考にしながら、ゲーム専用機プラットフォーム「NX」について、あらゆる観点から考察し、その正体に迫るべく徹底予想していきます。

QOL事業も密接に関わってくる?

※2014年10月30日経営方針説明会より引用
任天堂は、2014年1月30日に行われた経営方針説明会にて、「Quality of Life(生活の質)」事業に参入すると発表しました。これは、任天堂が掲げてきた「世の中の人々を、商品やサービスを通じて笑顔にしていく」という信念を持ちながらも、同社の娯楽の定義を拡大し、新たに健康分野に打って出るというもの。

2014年10月30日に行われた経営方針説明会では、QOLセンサーを搭載した機器でユーザーの睡眠状態を自動的に測定し、そのデータをQOLクラウドサービスで管理・分析するという、QOL事業における最初の主軸「睡眠と疲労の見える化」を発表し、Five “Non” Sensingのコンセプトも公開しました。

【Five“Non”Sensing】とは
・Non-Wearable(身につける必要がない)
・Non-Contact(身体に触れる必要がない)
・Non-Operating(操作の必要がない)
・Non-Waiting(測定を待つ必要がない)
・Non-installation Efforts(設置の手間が不要)
Five “Non” Sensingの実現によって、身につける・身体に触れる・操作・測定時間・機器の設置などの測定機器における手間を一切無くし、継続してQOLサービスが利用できるようになります。

※2014年1月30日 経営方針説明会より引用
さらに、このQOL事業は、Wii U/3DSなどのゲーム専用機と連携することで相乗効果をもたらすようです。もしかすると、NXにもQOLセンサーが搭載されているかもしれませんね。

ゲーム専用機プラットフォーム?

※2014年10月30日経営方針説明会より引用
また任天堂は、2014年10月30日に行われた経営方針説明会にて、ゲーム専用機とゲームソフトが一体化された、これまでのプラットフォームの定義を、スマートデバイス・クラウドサービス・QOLサービス・ゲーム専用機が複雑に絡み合い、お互いに相乗効果をもたらす仕組みと再定義しています。

ちなみに、任天堂が「ゲーム専用機プラットフォーム」という固有名詞を頻繁に使うようになったのは、QOL事業を発表した2014年1月30日の経営方針説明会からです。この言葉から察するに、NXはゲーム専用機そのものではなく、ゲーム専用機を中心としたネットワークサービスを指すとも考えられます。

次のページ:NXの正体や料金制、機能について予想していく

ゲーム専用機プラットフォームNXとは……!

ここからは、今までの情報を吟味した上で、NXがどのようなゲーム専用機プラットフォームになるのか、機能・料金制・サービス・システムの4つのポイントに分けて、その詳細を予想していきます。

※任天堂は、このようなQOL関連と思われる複数の特許を出願していた
【予想その1】NXは寝室専用の据え置きゲーム機
ゲーム専用機プラットフォームNXの正体はズバリ、ユーザーの睡眠状態を測定できるQOLセンサーが搭載された、寝室専用の据え置きゲーム機であると推測します。操作はスマートデバイス上で行うためテレビの接続は不要になり、寝室に置けるように本体サイズは従来の据え置きゲーム機より一回り小さくなるかもしれません。まさに、これが新しいコンセプトのゲーム専用機の形ではないでしょうか。

【予想その2】NXの一部サービスは、基本プレイ無料
基本プレイ無料(F2P)のビジネスモデルが主流になっているスマートデバイス向けアプリにおいて、数万円もするゲーム専用機を購入しなければ遊べないサービスに、スマートデバイスユーザーがたやすく興味を示してくれるのでしょうか?それよりは、NXの一部サービスを基本プレイ無料で提供し、実際にユーザーに体験してもらうスタイルの方が今の時代にマッチしています。しかし、任天堂が他社のスマートデバイス向けゲームアプリと同じように、安易にスタミナ制やガチャを導入するとは考えにくいので、NXオーナーとF2Pオーナーが上手く共存する新たな構造のゲームアプリを展開していくのではないでしょうか。

コミュニケーションゲーム『どうぶつの森』で例えるなら、NXオーナーは村長として自分の村を運営・開発し、F2Pユーザーの村人達と1つの目標に向かったり、仲良くスローライフを楽しんだり、あるいは別のNXオーナーの村人同士で交流したりと、F2PユーザーがNXオーナーのコンテンツを盛り上げる構造のゲームが登場するかもしれません。もちろん、スマートデバイスと連動するからには、位置情報サービスやAR技術、カメラ機能を活用したゲームもリリースされるのでは?

【予想その3】NXは、あらゆる「データ」で遊ぶゲーム機
前述したとおり、スマートデバイスと連動したNX本体にQOLセンサーが搭載されているならば、寝室にいるユーザーの健康状態を測定するだけではなく、日常生活のデータも収集するのではないでしょうか。スマートデバイスを使って、今日の歩数や天気、気温、湿度をはじめとした外出中のデータも収集し、専用のクラウドサーバーで共有するといった事も考えられます。こうして収集されたデータは、ユーザーの健康状態をチェックするために使われたり、ニンテンドー3DS内臓ソフト『すれちがいMii広場』のようなミニゲームと連動させたりして、あらゆる場面で活用すると推測します。

もしNXがあらゆる「データ」を収集して遊ぶゲーム専用機なら、ニンテンドー3DSにもある、すれ違い通信機能を搭載すると考えられます。これまで、ベッドタウンを拠点にしているユーザーや、地方にいるユーザーは、駅や空港といった人の多い所、あるいはすれ違い中継所に行かなければ、すれ違い通信を十分に楽しめませんでした。しかし、このNX本体にすれ違い通信機能が搭載しているならば、自宅にいながらスマートデバイス/3DSと常にすれ違いが可能に。いつでもどこでもすれ違い通信を楽しめる上、東京都内と地方とのすれ違い人数の格差を無くせるかもしれません。

次のページ:ゲームと連動した会員制サービス?

※「業務・資本提携共同記者発表」より引用
【予想その4】任天堂独自の実績/トロフィーシステム
任天堂の会員制サービス「クラブニンテンドー」は、2015年9月30日をもって終了し、ディー・エヌ・エーと共同開発した新たな会員制サービスが今秋開始される予定ですが、「業務・資本提携共同記者発表」の資料によると、このサービスもゲーム専用プラットフォームNXと密接に関わってくるようです。

これまでの会員制サービスは、ゲームソフトに付属されたシリアルナンバーを同サイトで入力し、アンケートに答える事で、ゲームのサウンドトラックや3DS特製ポーチをはじめとした任天堂グッズと交換できるポイントが貰えましたが、今後はこのシリアルナンバーの代わりに、ゲーム内目標を達成すると報酬として得られる実績/トロフィーに似たシステムを組み込んでくると推測します。

クラブニンテンドーの短所は、シリアルナンバーさえあればゲームを購入していなくてもポイントが貰えるところでした。グッズ目的のためにシリアルナンバーだけを集めてアンケートに答える一部のユーザーも見受けられ、ユーザーからのフィードバックを十分に得られませんでした。

しかし、ゲーム内目標を達成すると報酬として得られるポイントを使って、任天堂グッズと交換できるシステムなら、ユーザーからのフィードバックをほぼ100%の状態で得られるのではないでしょうか。特に、ゲーム内目標を全てコンプリートするほどやり込んだユーザーの声は、ゲームメーカーにとっては非常にありがたいものです。今秋開始される新サービスは、Wii U/3DSを皮切りに、ゲーム専用機プラットフォームNXで本格的に展開されると考えられます。

◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
さて、まだまだその正体が明かされていないゲーム専用機プラットフォーム「NX」の詳細を勝手に予想してみましたが、いかがでしたか?そうこうしている内に、スクウェア・エニックスからMMORPG『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族』や、シリーズ最新作『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』がNXからリリースされると先日発表がありました(スクウェア・エニックスのプレスリリースでは発売検討中)。前述したとおり、NXについての続報は2016年以降になりますが、もしかするとサードパーティーから何らかのヒントが報道されるかもしれません。今後のニュースに注目したいところですね。

※『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』の商品情報を加筆しました。コメント欄での指摘ありがとうございました。

【大予想】任天堂の「NX」はどんなゲーム機なのか―過去情報や近年動向から分析

《真ゲマ》

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