羽田アクセス新線構想から1年、計画ルート上の京浜島を歩くと…

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城南島から東京港野鳥公園を眺める。羽田アクセス新線はこの付近の地下に設置される計画だ
城南島から東京港野鳥公園を眺める。羽田アクセス新線はこの付近の地下に設置される計画だ 全 12 枚 拡大写真

東京貨物ターミナルと羽田空港の間に新たな線路を敷く計画は実現するか。JR東日本が羽田空港アクセス新線構想を発表してからちょうど1年がたった8月18日、計画ルート上にある人工島のひとつ、京浜島を歩いてみた。

1年前に発表された空港アクセスルートは、貨物線や車庫線などを活用した構想だが、東京貨物ターミナルと羽田空港の間は、新たな線路を地中につくる計画。JR東のルート案を見ると、新設区間は、大田市場や東京都野鳥公園、京浜島の大田清掃工場、羽田空港B滑走路の地下を結ぶイメージだ。

この東京貨物ターミナルと羽田空港を結ぶラインの中間に位置するのが京浜島。全域が工業団地で、島内を京浜急行バスが行き来している。島の東には、羽田空港B滑走路を離着陸する旅客機を間近に見られる「つばさ公園」があり、工業団地に勤める人たちに混じり、カップルやグループの姿もたまに見かける。

「この地下に鉄道が走るの? そんなワケないでしょ」というトラックドライバーは、「地盤も弱いっていうしね。ほんとにつくるとしたら、大変じゃないの。あ、でも京浜島に駅ができたら、電車で通勤しようかな」と笑った。大田区は、2013年現在の京浜島の人口を40代2人とカウントしているが、JR資料などには京浜島に駅ができるというような内容は記されていない。

「島内で唯一の売店」といわれる京浜ショッピングでひと休み中のドライバーは、「この島に鉄道ができたって、湾岸線と同じようにただの通過点になるだけでしょ。工事にあわせて島もきれいに整備されればいいけどね」ともらしていた。

京浜島では、プレスや鈑金といった製造系の中小企業が集結していた時代があったが、それらが撤退したあとに産廃施設や運送業などが入り、異業種が混在する工業団地に姿を変えた。

現在、羽田空港にアクセスする鉄道は、京浜島の西にある昭和島を通る東京モノレールや、さらに内陸側にある蒲田からアプローチする京急がある。東京貨物ターミナルと空港を直線的に結ぶ“京浜島経由”の空港アクセスルートは実現するか。8月18日、京浜島で働く人たちは「鉄道トンネル建設の話? 聞いたことないな」と口をそろえる。

《レスポンス編集部》

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