土星のFリングと羊飼衛星の起源を解明…神戸大学

宇宙 科学
土星の主要リング
土星の主要リング 全 4 枚 拡大写真

神戸大学大学院理学研究科の兵頭龍樹さんと大槻圭史教授は、土星のFリングとその羊飼衛星が、土星衛星の形成過程の最終段階で、自然な副産物として形成されることを初めて明らかにした。

土星は、太陽系では木星に次いで2番目に大きい惑星で、複数のリングと衛星を持つことで知られている。Fリングは、1979年パイオニア11号が発見した。幅が数万キロメートルに及ぶ主要リングの外側に位置する、幅数100キロメートルの細いリングで、内側にプロメテウス、外側にパンドラという2つの羊飼衛星を持つ。

Fリングと羊飼衛星はその後、探査機ボイジャーやカッシーニにより詳細に観測されたが、どのように形成されたか、その起源は解明されていなかった。

兵頭さんと大槻教授らの研究を含む最新の衛星形成理論によると、かつて土星の周りに現在よりも多くの粒子を含むリングがあり、そこから拡散した粒子が集まって衛星が形成される。この衛星形成過程の最終段階は、小さな衛星が近い軌道に複数形成される。

一方、カッシーニによる観測から、主要リング外縁付近にある小衛星は密度の高い核を持つと見られている。今回、兵頭さんと大槻教授は、国立天文台が所有する計算機を用いたシミュレーションを実施し、密度の高い核を持つ小衛星同士が衝突して部分的に破壊され、Fリングと羊飼衛星が形成されたことを解明した。

Fリングとその羊飼衛星は、土星衛星系の形成過程の最終段階で、自然な副産物として形成された。

これら羊飼衛星の形成メカニズムは、同様なリングと羊飼衛星を持つ天王星にも当てはめることができ、今後、太陽系内外の衛星系形成を解明する一端となることが見込まれる。

今回の研究成果は、Nature Geoscience電子版に掲載された。

《レスポンス編集部》

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