【官能カーオーディオ!】「イコライザー」で“音”の雰囲気が一変!…“予算0円”のチューニング術

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イコライザーの調整は低域から動かすのがベスト。動かしたら低域だけではなく高域側も変化するので注意する。
イコライザーの調整は低域から動かすのがベスト。動かしたら低域だけではなく高域側も変化するので注意する。 全 2 枚 拡大写真

費用をかけずに、愛車のオーディオの音を良くする方法=「サウンドチューニング術」。その具体的なテクニックをご紹介している。3回目となる今回は、「イコライザー」の活用術をお伝えしていく。お使いのカーナビやオーディオ機器に、イコライザー機能が搭載されていたらしめたもの。これを使いこなさない手はない。積極的にいじって、今聴いている音を、がらりと変えてみよう。

◆イコライザーの役割とは

最初に、イコライザー機能の目的を解説しておきたい。「音色を自分好みに変えるための機能」と認識されている方も少なくないはずだが、実はこれは主たる目的ではない。“equalize”という単語には、“等しくする”、“平均化する”という意味があるのだが、イコライザーもまさに、“もともとの音(原音)と同じ音にする”ための機能であり、“周波数特性を平均化する”ための機能である。要は、“補正”を目的とした機能なのだ。

クルマの中は、リスニング環境としてのコンディションが悪い。ガラスやパネル類で音が反射し、シート等では音が吸収される。これらを原因として周波数特性の乱れが起こる。それを、イコライザーで補正しようとするのである。

イコライザーは機種によってバンド数が異なる。5バンド、7バンド、10バンド等々、多くても13バンドくらいまでだ(ハイエンドカーオーディでは、31バンドがスタンダード)。バンド数が多いほうがより精細な調整が可能だ(今回の記事は、10~13バンドくらいのタイプを想定しているが、それよりも少ないタイプの機種をお使いの方にも参考にしていただけると思う)。

◆イコライザーを使うポイントを解説

早速、使い方のキモを解説していこう。もし10~13バンドのイコライザーが搭載されているならば、プロっぽい扱い方をしてみても楽しいので、まずは少々上級な使い方をご紹介する。

“補正する”ためにはどのような乱れが起きているのかを把握する必要があるのだが、測定機を用いて計測し、それを客観的に知った上で対処していく、という使い方だ。“ピンクノイズ”という測定用の信号を流し、“RTA”という測定機で計測する(“RTA”はスマホのアプリでもいくつかある。“ピンクノイズ”は調整用CD等を探してほしい)。すると、ピーク(盛り上がった帯域)とディップ(減衰している帯域)がわかる。ピークやディップがすなわち、特性の乱れである。

これらを解消していくと、変なクセが取れて音楽が心地良く聴こえるようになる。ただし…。イコライザーを操作しても解消不能な、たちの悪いピークやディップも存在する。その場合は、そのバンドは触らないのが得策だ(±0のまま)。最大にしたり、ゼロにするのはNGだ。操作することは逆効果、と頭に入れておいてほしい。

1つ、コツをご紹介しておく。それは「低い帯域をいじると、高い帯域にも変化が出ることがある」という特性を利用するワザ。まずはもっとも下の帯域をちょっと上げ下げしてみる。それによって、それよりも高い帯域のピークやディップが解消傾向に動くことがあるので、それを見逃さないようにしよう。覚えておいてほしい。

測定機を使わないチューニング方法もお教えしよう。最初に、もっとも低い帯域のバンドを、少しずつ上げてみる。そして上げるほどに印象がどう変わるかを覚えておく。そしてそこは一旦±ゼロのとこに戻す。で今度は隣のバンドで同じことを行う。それを全バンドで行い、上げるほどに耳障りな印象を他よりも強く感じたバンドを探し出す。それを特定できたら、そのバンドを少し下げてみよう。結果、より聴きやすくなったと感じられたら、それで正解だ。

◆より良くするためのテクニック

さらに、もっと簡単で、かつ具体的なテクニックもご紹介しておこう。まず低域に関することから。高速走行時に、ロードノイズにより低域のマスキング現象が起こることを、前回の記事でご紹介した。イコライザーを使うことでもそれに対処可能だ。100~300Hzくらいを上げ気味にしていくといいだろう。

この時、100Hzよりも下の帯域については少々注意が必要だ。このあたりも上げたいところなのだが、特にスピーカーが純正のままの場合、100Hz以下を上げると、音が歪んだり、ドア内部からビビリ音が発生してしまいがち。廉価なスピーカーでは100Hz以下の音はキレイに再生することが難しいのだ。100HZ以下の音をドアのスピーカーからキレイに出そうと思うなら、スピーカー交換とデッドニング(ドア内部のオーディオ的処理)が必要だ。100Hz以下を上げて音が濁ってしまったら、残念だがそこの部分は下げたほう音が良くなる。

ちなみに、低域をもっと聴きたいと思ったときに、“高域を少し下げてみる”という作戦が有効な場合もある。低域が足りないのではなく、高域が出過ぎているケースもあり得るのだ。低域を上げたいと思ったときの1つの選択肢として、頭に入れておいてほしい。

次は高域に関するテクニック。ボーカルを聴いていて「さしすせそ」が耳につく場合があったら、2k~8kあたりを触ってみよう。そのあたりを少々下げると、「さしすせそ」が丸くなるはずだ。

ボーカルをもっと強調できるスペシャルテクニックも伝授しよう。ボーカルの中心帯域は大体1kHz近辺なのでそこを上げたくなるところだが、そうではなくて、300~400Hzあたりの低い帯域を触ってみる、というワザだ。そこを上げ下げすると声の太さに影響が出てくる。上げると太くなったように聴こえ、下げると細くなったように聴こえるはずだ。細くなると、声が際立って聴こえてくる。ぜひとも試してほしい。

イコライザーは奥が深い。機能が向上する分、使い方も難しくなる。上手に扱えるようになるためには、どう操作するとどう音が変わるのか、経験則を積み上げていくしかない。いろいろと操作して、引き出しを増やしていこう。それとともに楽しさも増加していくはずだ。

さて次回は、「タイムアライメント」という名の機能について解説する。これを使いこなせると、イコライザー以上の音の変化を生み出せる。ご自分のカーナビやオーディオに『タイムアライメント』という名の機能が搭載されていたら、次週のこのコーナーをお読み逃しなく。

《藤澤純一@Mycar-life》

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