【スズキ RM-Z250 新型】競技用モトクロッサーが進化、ホールショット狙える新技術も

モーターサイクル 新型車
スズキ RM-Z250 2016年モデル
スズキ RM-Z250 2016年モデル 全 11 枚 拡大写真

スズキの競技用モトクロッサー『RM-Z250』が、2016年モデルとしてフルモデルチェンジした。優れたスタートダッシュ性能を発揮し、その後のレース展開を有利にする「スズキ ホールショット アシスト コントロール」(S-HAC)を搭載したほか、水冷DOHC4バルブ単気筒エンジンを一新。

メインフレームも新開発され、フロントフォークは最新式のKYB製エアフォークシステム「PSF2」(ニューマチック・スプリング・フォーク2)を採用している。

さらに新型のフロントブレーキキャリパーや最新のダンロップタイヤ「GEOMAX MX52」を標準装備。これまで以上のハイレベルを目指し、スズキの最新技術を満載にした。

注目は「S-HAC」。ファクトリーマシンからのフィードバックにより、スタート時に走行モードを切り替えることで優れたスタートダッシュ性能を発揮するシステムで、スズキでは2015年モデルの『RM-Z450』に初採用している。

開発に際し、スズキのマシンで世界をたたかうクレメン・デサール、ジェームス・スチュワートら欧米のトップライダーがテストに参加。今回、各部の改良と熟成を経て、2016年モデル「RM-Z250」へと搭載となった。

その特徴とは? スズキ二輪技術センター・二輪技術本部の山口純平さんは「2015年モデルのRMZ-450では、すべて一律に点火タイミングを調整していましたが、今回の16モデル(RM-Z250)では、各パートごとに点火タイミングを調整しています」という。

スタートの状況を3ステージ(動き出す瞬間、スタートゲートを越えるとき、その後の加速)に分けて捉え、各段階で必要なエンジン特性に対して点火タイミングを最適化。有効なトラクションを生み出すことに成功している。

さらに路面状況に合わせてモード選択が可能で、硬い路面、滑りやすい路面向きの「Aモード」、通常のダート路面を想定した「Bモード」、そして電子制御介入がまったくない「OFF」からライダーが任意に選べるようにした。

モトクロスレースでのスタートダッシュは、勝負の明暗を分けると言っても過言ではない。この進化はモトクロスレースに参戦するライダーにとっては見逃せないものとなるだろう。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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