【VW パサート ヴァリアント 試乗】いいとこ育ちの男性にエスコートされてる気分…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
VW パサート ヴァリアント
VW パサート ヴァリアント 全 10 枚 拡大写真
これで1.4リットルか。思わず諸元表を見直してしまう。そこにはやはり、排気量は1394ccと書いてある。

インタークーラー付きターボとはいえ、この大きなボディサイズをここまで軽々と運ぶとは。フォルクスワーゲンがいち早く日本に導入し、排気量の大きさと高級さが比例するものではないと繰り広げたダウンサイジング戦略。国交省の燃費審査値であるJC08は、実際の走行と同じではないとはいえ(エアコンオフで走るしね)、20.4kmは立派である。

軽い乗り心地。真摯にマジメに作られたボディの剛性感が、車内に静けさと落ち着きを醸し出す。コーナーを走っても、上体は左右にふられすぎず、ハンドルとボディの動きに違和感はなく、いや、それどころか、自分の感覚の2割増しで気持ちよく動き、高速道路では、エンジンは気筒休止などして燃費をさりげなく抑えつつ、するりと駆け抜ける。ものすごく品のいいスーツを上品に着こなした、いいとこ育ちの男性にエスコートされている気分である。されたことないけれど。

当然ながら、後部座席も座りやすく、荷物スペースは単身の引越しができそうなくらいに広い(持っている荷物にもよるけれど)。精悍になったフェイスマスクも悪くない。悪くない、そう、悪くないんだよ。

だけど、唯一、思うのは、私がドイツに住むのなら、このクルマを選ぶだろうなということ。からっとした空気では本場インドカレーが美味しいのに、日本の湿度の高いところでは、日本の給食カレーのほうが美味しく感じるように、日本の湿度充満で、クールビズといいながらスーツ以外はゴルフウェアしか思いつかない男性陣が多数生息するなかで、この清楚な実直さで生き抜けるのか。くだらない心配をしてしまうのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がカラフルに変身!? フルーツがテーマ『ハバナ フルーティーポップ』、キャルズモーターが発売
  2. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  3. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  4. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  5. 「じゃじゃ馬っぽくていい」ホンダ『ヴェゼル RS』先行公開に早くも反響! デザインと性能に注目
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る