【フォード クーガ 試乗】期待以上にしなやかでフラット感に富んだその乗り味…河村康彦

試乗記 輸入車
フォード クーガ タイタニアム
フォード クーガ タイタニアム 全 14 枚 拡大写真

1.6リットルのみという”一本足打法”だった『クーガ』の心臓部が、1.5リットルと2リットルという2つのバリエーションに置き換えられたと聞いて、早速そんな最新モデルに乗ってみた。

【画像全14枚】

どちらも「エコブースト」を謳うターボ付き直噴ユニットなのは従来型の場合と同様。組み合わされるトランスミッションも6速のトルコン式ステップATと、こちらも従来と同様だ。

まずは、最高出力と最大トルク値を従来型と同一にキープしながら、「力強さはそのままに燃費を34%向上」と謳う1.5リットルの「トレンド」グレードでスタート。決して格別にパワフルな印象ではないものの、日常シーンで物足りなさを感じることは皆無。ただし、機敏に走ろうとアクセル踏み込み量が増えると、ATがそれなりに忙しくシフトを繰り返すようになるのもまた事実だ。

なるほど、今度のモデルはより燃費志向へと振られたんだナ、と連想させられるのは、アクセルOFF時の“転がり感”が従来型に対して強くなっていたから。ひとたび速度が乗るとそこでアクセルを緩めても、「なかなか速度が落ちない感」が随分と鮮明になったのだ。

そんなトレンドから2リットルエンジンを積む「タイタニアム」へと乗り換えると、さすがにこちらでは走りのゆとり感がグンと大きい。

率直なところこの期に及んで、JC08モード燃費値が10.0km/リットルというデータは、決して褒められたものではない。が、そんなこちらでの謳い文句は、「従来型比で出力が33%向上」なるもの。その“効用”はなるほどスタート時点から明確で、1.5リットルモデルと同等加速を求めるならばアクセル踏み込み量はずっと少なくて済むし、常用するエンジン回転数も相対的により低いゾーンに収まることとなり、その分静粛性に優れるのも走りの上質感向上に貢献している。

そんな異なるキャラクターの持ち主同士ゆえか、実は共に流れの良い首都高速道路上をメインとしたテストドライブでは、ボードコンピューター上に表示をされる燃費値は10%と差が現れなかった。

となると、「だったらやはり、日常シーンではより静かにゆとりが持て、イザとなればスポーツカー級の加速力が得られるタイタニアムの方が魅力度が大きいかナ」と、個人的にはそんな思いが脳裏に浮かんだもの。

けれども、その走りの真の魅力はそんな動力性能面よりも、実はむしろ期待以上にしなやかでフラット感に富んだその乗り味にこそ大きいのではないか…という結論は、実は以前からクーガに対して抱いていた印象とやっぱり同様。

であるならば、こうしてパワーユニットの選択肢が増したのはきっとお客さんにとっても嬉しいニュースであるはず、と、改めてそんなことを思わされた新型クーガだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

河村康彦|モータージャーナリスト
自動車専門誌編集部員を経て、1985年よりフリーランス活動を開始。現所有車はポルシェ『ケイマンS』、スマート『フォーツー』、そしてVW『ルポGTI』(ただしドイツ置き去り)。

《河村康彦》

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