【e燃費 500kmチャレンジ 後編】ハイブリッド車オーナーなら気になる? エコオイルの燃費改善効果

エコカー 燃費
エコオイルでどれくらい燃費改善できるのか。500km走って検証した
エコオイルでどれくらい燃費改善できるのか。500km走って検証した 全 22 枚 拡大写真

BPカストロールのディーラー向け省燃費オイルの新製品「マグナテック プロフェッショナル 0W-16」と同「5W-30」を入れた車両を同条件下で500km超を走行した。果たして、オイルの違いで燃費に差は出るのだろうか。

◆神奈川~愛知、往復500kmで燃費比較

今回の比較テストの条件を改めておさらいしておこう。

テスト車両はトヨタ『アクア』のマイナーチェンジ後のモデルで、0W-16オイルが推奨指定されており、JC08モード燃費は37km/リットル。

2台のアクアの総走行距離はそれぞれ約6900kmと約8500kmで、前車に5W-30を、後車に0W-16を入れた。いずれもオイルフィルターを同時交換し、油量はメーカー指定の3.7リットルとした。オイル以外の条件を可能な限り揃えるために空気圧は指定の230kPaで統一し、運転手は約100-120kmおきに交代した。両車のタイヤは8部山と新品に近い状態だったが、銘柄が異なっていた(ブリヂストン『エコピア』とダンロップ『エナセーブ』)ことをお断りしておく。エアコンの設定温度は25度のオート、エコモードはOFFとしている。

走行ルートは、神奈川県・藤沢市から愛知県・蒲郡市のラグーナ蒲郡を往復する約520kmのルート。道のりとしては、東名厚木インターから御殿場ジャンクションで新東名に入り、三ヶ日ジャンクジョンで再び東名に合流後、豊川インターで降りて国道151号から23号を経由してラグーナ蒲郡を目指す。復路は同じ道を引き返すこととした。

高速ではとくにエコドライブを意識せず、走行車線の流れに乗るかたちで走行。交互に前後入れ替わり、車間も安全上十分な距離を空けて走行した。

燃費は燃費管理アプリ「e燃費」を利用して、満タン法で計測。出発前に満タン給油し、走行後再び満タン給油して走行距離を燃料消費量で割りリッターあたりの走行距離を計測した。なおe燃費はオドメーター画像とレシート画像による画像投稿機能を持つので、面倒な数値入力なしでマイカーの燃費管理が可能だ。

◆ドライバビリティに差はなし、折り紙付きの保護性能

まずオイルの違いでアクセルのツキやエンジンのレスポンスに顕著な変化が感じられるかという点だが、「全く分からない」というのが参加したドライバー2名の率直な感想。市街地ではモーター主体の走行が多く、エンジンの存在が陰に隠れているのでやむなしだが、走行ステージを常にエンジンが回る高速道路に移して車両を乗り換えても、大きな差は感じられない。

逆に言えば体感できるほどにレスポンスに違いが出てしまうことの方が問題で、0W-16はもちろん5W-30であっても潤滑性能は十分優れていることの証だろう。「マグナテック」の名称にもあるように、インテリジェント分子の働きによりオイルが磁石のようにエンジンに吸着し保護層を形成。始動時から優れたエンジン保護性能を発揮するBPカストロールのプレミアムオイルだけに、その性能は折り紙付きだ。

秦野中井インターから御殿場までの2つのルートに分かれる上り坂セクションでは、燃費は23km/リットル前後に落ち込んでしまう。御殿場ジャンクションから先の新東名に入ると、周囲を走る車両の速度はぐんと上がり、とくにトラックの少ない昼間の時間帯は走行車線を走っていても制限速度の100km/h前後での高速走行となる。

アクアにはタコメータはついていないが、市販されているOBD II接続のステータスモニターで回転数を表示させると、100km/hでも道が平坦ならば1400rpmしか回らない。この状態だと燃費はスルスルと伸びていく。ドライバー交代ポイントの駿河湾沼津SAから先は、急なアップダウンは多くないのでここで慎重なアクセルワークを心がけて走ったところ燃費は27km/リットル前後まで改善。浜松SAで再度ドライバー交代し、豊川インターから一般道に入る。

高速を降りてからの国道は交通量が多く、信号によるストップ&ゴーが頻繁にあり、市街地走行に強いハイブリッドといえども燃費は伸び悩む。折り返し地点のラグーナ蒲郡に到着した時点の燃費は26km/リットル前後だった。

その後の復路は、往路とほぼ同様のペースで走行。ただ、御殿場ジャンクションから厚木インターを降りてから一般道の走行では帰宅ラッシュ時間とかぶってしまい、大渋滞に巻き込まれてしまった。11時前に出発して、走行を終えたのはすっかり日が落ちた19時過ぎ。今回の総走行距離は515kmとなった。

◆気になる燃費はいかに…e燃費で計測

では気になる燃費だが、0W-16を入れた車両が25.93km/リットル、5W-30を入れた車両は24.94km/リットルという結果に。比率にして3.96%、約1km/リットルの燃費改善効果ということは、およそ500km走って500ccの燃費節約効果があったということになる。

当然のことながら、この数字は何の操作もせずに同条件で2台を走らせた結果の値だ。もちろん、クルマの燃費は個体差があり、周辺環境や運転者のスキル、そしてタイヤ性能など、数多くの要素が絡んでくるため、この燃費改善効果がすべてオイルによるものとは断言はできない。ただ、今回のテストでハードウェア的に見た2台のもっとも大きな差異はオイルの粘度の違いであり、この結果を見た限りでは省燃費オイルの効果はそれなりに有意なものとして考えることはできそうだ。

定評を得ているエンジン保護性能とクリーン性能に、0W-16化による低フリクション効果でさらなる省燃費性能を手に入れたマグナテック プロフェッショナル。1000km走れば1リットル、1万km走れば10リットルのガソリン節約と聞くと大した差とは思えないだろうが、25-30km/リットルをコンスタントに叩き出す燃費意識の高いハイブリッド車オーナーなら気になる製品であることは間違いないだろう。

《レスポンス編集部》

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