【インタビュー】ZF アジア・パシフィックCEO、TRWの買収終え「日本メーカーとのビジネス発展に期待」

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ZFのアジア・パシフィックCEO、ルディ・フォン・マイスター氏
ZFのアジア・パシフィックCEO、ルディ・フォン・マイスター氏 全 4 枚 拡大写真

2015年5月に、TRWオートモーティブの買収を完了したZF。この合併によって、ZFは14万人の従業員を擁する、そしてまた年間で約4兆円という規模の売上高を達成する、世界最大規模のサプライヤーへと進化を遂げる。

今年のIAA=フランクフルト・ショーは、合併後初のメジャー・モーターショーであり、またZFにとっては、ボッシュやコンチネンタルとともに、地元ドイツで開催される重要なショーとなる。それに先立って、ZFがドイツのベルリン近郊で独自に開催したメディア・イベントで、ZFのアジア・パシフィックCEO、ルディ・フォン・マイスター氏にインタビューすることができた。ちなみにアジア・パシフィックは中国の上海にその拠点を持ち、一時ほどの加速度はないものの、現在でもなお成長を続ける中国、そしてもちろん日本の自動車メーカーとの取引の窓口として、非常に重要な役割を果たしている。

◆TRW、ZFの第5ディビジョンとして期待するもの

「TRWの買収が完了し、我々はひとつの会社として、スタートを切ることができました。TRWはこれから、アクティブ&パッシブ・セーフティ技術を担う、ZFの第5のディビジョンとしての役割を果たしていくことになります。社内的に組織がきちんと統合されるまでには、おそらくは数年間という時間が必要になるでしょう。現在はまだ、その第一段階であり、まず世界中のカスタマーに対して、ZFとTRWがひとつのファミリーとなったことを説明することから始めなければなりません。ロゴやCIの変更なども必要になるでしょう」。

合併により、ZFは世界3大メガ・サプライヤーとなる企業規模を得た。しかしそれは同時に、企業としてのマネージメントがさらに複雑になることをも意味している。

「すでに一部のディビジョンでは、TRWの今後のマネージメントに関してのミーティングを開始していますが、ZFとTRWはもちろん、各々に専門の分野を持ち、カスタマーを持ち、またビジネスの目標というものを持っています。スムーズにリストラクションを進めることは大切だとは思いますが、それ以上にカスタマーやオーナー=株主にとって重要なのは、お互いのこれまでのビジネスを、きちんと継続していくことではないでしょうか。そしてTRWを買収したことで、これからどのようなシナジー=相乗効果を生み出すことができるのか。これから我々が求められるのは、この言葉に象徴されるのではないでしょうか」。

◆アジア・パシフィックにおける日本メーカーの重要性

アジア・パシフィックのCEOであるフォン・マイスター氏はまた、日本メーカーとのさらなるビジネスの発展にも大きな期待を抱いているという。すでにZFからは、将来的に日本にR&Dセンターを開設するというプランが発表されているが、これもまた日本メーカーとの関係をさらに密接なものにし、結果的にはともに協力して技術開発を行うという体制をも可能にしてくれるのだろう。

「11月に開催される東京モーターショーでは、それについて何らかの発表が行いたいと思います。日本の自動車メーカーとのビジネスは我々にとっても非常に大切で、また大きな意義を持つものです。日本メーカーの、技術革新に対しての取り組みはとても素晴らしく、近年ではコネクティビティやオートパイロットといった分野でも、世界の最先端を歩んでいます。TRWの買収によって、ZFは自社の中でさらに多くの技術をメーカーに対して提供できる体制を得ることができました。アジア・パシフィックでのさらなる成長のために、日本メーカーの存在は重要です」。

9月半ばに開幕するIAAで、はたしてZFはどのようなトピックスを、世界に向けて発信してくれるのだろうか。世界の自動車メーカーに最新のテクノロジーを提供するZF。その新時代は、多くの話題に満ち溢れている。

《山崎 元裕》

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