富士重工業は9月22日、「スバル アクティブライフスクエア」のイベントとして、群馬製作所における工場見学会を開催した。
「スバル アクティブライフスクエア」は、今春からスバルが推進する、クルマを通じてアクティブに趣味やスポーツなどを愉しみ、人生を豊かにすることを応援するプログラム。これまでにSUPER GT観戦イベントやサイクルスポーツ、登山、スキー、ゴルフやクライミングなどのアクティブスポーツを、体験・観戦するイベントを行ってきた。その中で今回は「クルマ作りがスバルのスピリット」をテーマとし工場見学を開催した。
アクティブライフスクエア専用ホームページへの応募数は、2257組4528名。その中から48名という10倍近い倍率の中から抽選で選ばれた参加者が、群馬県太田市にあるスバルビジターセンターに集まった。
スバルアクティブライフスクエアを推進する小島SNS室室長の挨拶に続いて、群馬製作所の大河原所長より、富士重工業は飛行機メーカーから発展したことなど会社沿革や、現在の生産台数や規模などが紹介された後、今回の工場見学において、スペシャルな見学コースがあることが告げられた。その内容は、「衝突安全テストを見学できる」というもの。衝突安全テストは、社外秘の場合が多くメディアはもちろん一般公開するのは今回が初めてのことだ。
試験は専用のテストコースで、北米仕様の『BRZ』が、時速64キロメートルで障害物に40パーセントオフセットして衝突するというもの。実生活の中であり得るシチュエーションを再現している。
衝突後の車両を間近で見ると、大きく潰れており衝突の激しさを実感。一方で、ボディは潰れていても左右のドアやトランクが正常に開け閉めでき、乗員の安全が確保されている点に、見学者は一様に驚いた様子だった。
工場見学は、VIPが訪れた際に使われるという電動カートに分乗しラインを巡った。見学したラインでは、『フォレスター』『クロスオーバー7』『レガシィ』などが製作されており、1つのラインで多車種が流れる。工程ごとに細かく解説が行われ参加者も熱心に聞き入っていた。
また、プレス・ボディラインでは、鉄板からボディを形成する大型機械が、休む事なく動く様を間近で見学。パーツがストックされている倉庫では、ドアや屋根などが整然と並んでいる姿も。ビジターセンター内では、スバルの過去から現在までの車両展示、クルマの動く仕組みや安全に対する取り組みなどを知ることができた。
最後に、同工場見学ツアー専用プログラムとして、スバル商品企画本部デザイン部石井部長より、スバルのデザインに対する哲学や、将来に向けてのデザインのあり方などのプレゼンテーションが行われた。「スバルのアイデンティティーが宿るデザイン」についての説明では、現在ラインナップする車両のどれにも通じるグリルデザインや、ホークアイと呼ばれるヘッドライトのデザインが、水平対向エンジンのピストンを表現している、などデザインの奥深さを感じられる内容が語られた。
参加者に感想を尋ねてみると、「他メーカーのクルマに乗っているが、スバルのクルマ作りの姿勢を感じられた」「衝突安全テストという通常なら絶対見られないものが見られて感激した。しかもドアが普通に開くということにも驚いた」「スバル車に長年乗っているが知らないことも多く、参加できて良かった」などの意見が聞かれた。
次回以降の開催は未定とのこと。今回のような特別な見学は出来ないとしても、一般工場見学は、10名以上の団体であれば申し込み可能だという。