戦前の格納庫や滑走路跡、松戸飛行場時代のなごり…松戸駐屯地公開イベント[写真蔵]

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第2高射特科群の03式中距離地対空誘導弾 射撃用レーダ装置車(千葉県、松戸駐屯地一般公開イベント、10月3日)
第2高射特科群の03式中距離地対空誘導弾 射撃用レーダ装置車(千葉県、松戸駐屯地一般公開イベント、10月3日) 全 32 枚 拡大写真

千葉県の陸上自衛隊 松戸駐屯地には、1939(昭和14)年にできた“戦前の格納庫”がいまもある。10月3日に行われた一般公開イベントで、旧逓信省 松戸高等航空機乗員養成所 飛行場をルーツとする松戸駐屯地の“飛行場としての名残”を見た。32枚の写真とともにつづる。

タマネギのように中央がとがったアーチ状の青い屋根、地面から斜めに突き出したコンクリート基盤。松戸飛行場時代につくられたこの格納庫は、外板などが再塗装され、きれいな外観を保ちながら、いまも倉庫として活用されている。

「開設当時は民間のパイロットや整備士を養成する目的で設立された」と話すのは、同駐屯地に務める自衛官。「滑走路は現在の運動場のあたありに設置されていた。戦争が始まると陸軍の管理下となり、ここから二式複座というタイプの戦闘機も飛んでいった」という。

また、この松戸駐屯地の西側には、“松戸飛行場”から名づけられたといわれる「松飛台」という地名や駅名が存在。すぐ近くには旧日本陸軍鉄道連隊演習線をルーツとする新京成線の電車も走っている。さらにこの松戸市域には、太平洋戦争でアメリカの大型爆撃機「B29」の空襲を受けたエリアもあるという。総務省ホームページの「松戸市における戦災の状況」にはこう記されている。

「太平洋戦争末期東京を空襲するB29は、駿河湾方面上空から本土に侵入し目的地に爆弾を投下後、松戸市域上空をへて九十九里浜から海上に離脱するコースをとっていた。爆弾を投下したB29は、日本軍の追撃(迎撃機および高射砲)をかわすために高高度に上昇し高速で離脱を図った。そのため機体を最大限に軽くすること、安全のために爆撃架に残っていた爆弾を捨てたと思われる空襲が松戸市域で確認されている。当時の松戸市域には攻撃目標となるような重要な軍需工場などは無いにも関わらず、空襲の被害が報告されているのは以上の理由からと推測される」。

この日、松戸駐屯地に配置されている第2高射特科群の03式中距離地対空誘導弾発射装置車や、同射撃用レーダ装置車、同レーダ信号処理電源車なども展示された。これらは、航空自衛隊第1高射群とともに首都圏の空を守る陸上自衛隊の装備だという。

4歳の女の子、3歳の男の子を連れて「東京・葛飾から来た」という30代の女性は、「カレーやごはんがつくれる自衛隊のクルマ(野外炊具1号)があることも、それが被災地などで活躍したことも知らなかった。子どもたちは『あれ乗りたい、これ乗りたい』と言っておおはしゃぎ。いろいろ連れまわされて疲れたので、屋台でひとやすみしたい」と笑っていた。

《レスポンス編集部》

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