【WEC 第6戦】富士ラウンド開幕…初日フリー走行はポルシェがトップタイム

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初日最速タイムの#17 ポルシェ919 ハイブリッド
初日最速タイムの#17 ポルシェ919 ハイブリッド 全 16 枚 拡大写真

9日、世界耐久選手権(WEC)第6戦「富士6時間レース」が静岡県の富士スピードウェイで開幕。初日は2回のフリー走行があり、ポルシェ『919 ハイブリッド』の17号車が最速タイムを記録した。トヨタ勢は2回とも5-6位。

今年で4年目の開催を迎え、秋の富士の定番レースとなってきた感も強いWEC日本ラウンド。走行初日は午前11時15分からと午後3時30分からの2回、フリー走行(各1時間30分)が実施され、晴れ、ドライコンディションのもと、LMP1、LMP2、LMGTE-Pro、LMGTE-Amの全クラス総計31台のマシンが今年も富士のコースを走り始めた。

最高峰LMP1クラスは9台の出走。3大メーカーワークス陣のハイブリッドレーサー計6台による最前線バトルは、初日から昨年の予選タイム水準を2~3秒上まわる領域での攻防に突入した。そのなかで初日最速タイムを記録したのは、目下3連勝中のポルシェ陣営の一角、2連勝中の17号車トリオ(T.ベルンハルト&M.ウェーバー&B.ハートレー)だった。

#17 ポルシェは2回目の序盤に1分24秒460をマークし、1回目最速だった#7 アウディ(R18 e-tron quattro/M.ファスラー&A.ロッテラー&B.トレルイエ)の1分24秒497をわずかに上まわった。ベストタイムの比較に、長い決勝レースに向けたセットアップの仕上がり等がすべて反映されるわけではないが、マニュファクチャラーポイントランク首位の好調ポルシェ勢、今回もまずまず以上の出足と考えていいだろう。#18 ポルシェ(R.デュマ&N.ジャニ&M.リーブ)も1&2回目総合で3番手のタイムを記録している。

一方、開幕2連勝のあとポルシェに3連敗を喫しているアウディ勢も、富士での走り出しはわるくない印象だ。1回目トップタイムだった7号車のロッテラーは、2回目の走行前の共同会見で「我々にとってこの週末はいい始まり方をしたと思う。マシンパフォーマンスに関するアップデートも良いようだ。(現在自分たち7号車トリオが首位のドライバー部門)チャンピオン争いのことを考えても、ここは勝ちたい」と語り、馴染みの日本、富士におけるWEC初勝利を見据えている。

今季は苦戦が続いているトヨタ『TS040 ハイブリッド』勢は1回目、2回目とも1号車(A.デビッドソン&S.ブエミ&中嶋一貴)、2号車 (A.ブルツ&S.サラザン&M.コンウェイ)の順で5-6位と、今季定位置といったポジション。2回目の走行終盤には1号車がスローダウンしてピットインという心配な一幕もあった。その後、再走していたので大きな不安にはつながらないと思われるが、少し気にはなるところ。決勝日には雨が絡むとの予報もあるだけに、トヨタ勢としては富士4連覇というミラクル達成に向け、まずは自分たちのマシンがヘルシーな状態でレースウイークを進め、そしてチャンスを待ちたい(初日のトヨタ勢最速タイムは1号車が2回目にマークした1分26秒242)。

なお、今年のルマン24時間レース(WEC第3戦)で実戦デビューした日産のLMP1マシン『NISSAN GT-R LM NISMO』は現在WECの実戦参戦を見送り中で、今回の富士戦にも参戦していない(来季復帰予定)。

LMP1クラスのプライベーター(ノンハイブリッド)勢3台のうちの初日最速は、REBELLION RACINGの#12 レベリオンR-One-AER(N.プロスト&M.ベシェ)で、2回目に1分29秒941を記録。また、8台参戦のLMP2クラスではG-DRIVE RACINGの#26 リジェ・ニッサン(R.ルシノフ&J.キャナル&S.バード)の1分32秒131が最速だった。

ポルシェ、アストンマーティン、フェラーリのワークス格チームが熱戦を展開するLMGTE-Proクラス(7台)では、AF CORSEの#51 フェラーリF458イタリア(G.ブルーニ&T.ヴァイランダー)の1分39秒922が初日最速。LMGTE-Amクラス(7台)の初日トップはLARBRE COMPETITIONの#50 シボレー・コルベットC7(G.ローダ&P.ルベルティ&N.シルベスト)で、1分40秒659。

ちなみにWECの使用タイヤはLMP1、LMGTE-Pro、LMGTE-Amの各クラスがミシュラン、LMP2クラスがダンロップによる、それぞれワンメイクの状況となっている。

WEC第6戦富士は10日に公式予選、11日に決勝6時間レースが行なわれるスケジュール。予選日からはグランドスタンド裏でのイベント等もさらに充実し、レースウイークを盛り上げる。また、10日には併催のアジアン・ルマン・シリーズ15-16シーズン開幕戦の決勝レースも実施される。

《遠藤俊幸》

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