【CEATEC 15】熱中症防止やインフラの異常検知など…ALPSのセンシング技術

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熱中症危険度の測定デモ。ヘルメットに装着したセンサから温度や衝撃を検知して、管理画面で注意や警告を出す(撮影:防犯システム取材班)
熱中症危険度の測定デモ。ヘルメットに装着したセンサから温度や衝撃を検知して、管理画面で注意や警告を出す(撮影:防犯システム取材班) 全 8 枚 拡大写真

 ALPS(アルプス電気)は、10日まで開催されていた「CEATEC JAPAN 2015」にて、同社が提供するセンシング技術などの活用事例を「IoTを支えるアルプスの電子部品。」と題して、多数展示した。

 ALPSは、センサーモジュールや通信モジュールなどを製品メーカーに提供する電子部品メーカー。エンドユーザーが直接同社の製品を目にする機会は少ないが、電子部品としてさまざまな製品で使われている。

●工事・建設現場の熱中症リスクを見える化

 最初に紹介するのが、センサーネットワークモジュールを使った熱中症危険度の測定デモ。展示では、ヘルメットに装着したセンサーネットワークモジュールが、温度や衝撃を検知し、各作業員が今どんな状態にあるのかを表示していた。

 使用例としては、あらかじめ熱中症の危険度を設定しておき、温度の変化に応じて注意や警告を出すといったもの。温度以外にも衝撃検知もできるので、事故などの早期の認知が可能となる。こうした技術を使うことで、作業者自身ではなかなか気づけない熱中症の危険性を管理者が把握できるので、適切な安全管理を実現できる。

●製造機械やインフラの異常を未然に検知

 続いては製造機械や道路、橋脚などのインフラの振動をセンサーネットワークモジュールで検知して、異常を通知するデモ展示。製造機械や橋脚などは、基本的に独特な振動波形を持っており、正常な場合はその波形が常に一定している。しかし、ひとたび何らかの異常が出ると、振動波形が変化するため、センサーネットワークモジュールによる波形のモニタリングによって、故障や異常の兆しをいち早く検知することができるのだ。

 製造工場では、ラインの停止はできる限り避けたい事象であり、故障による長時間の停止を未然に防げることは生産性向上・業務効率化という面で大きなメリットとなる。

 橋脚などのインフラの場合なら、何らかの異常が大事故につながる可能性もあるため事前に異常の兆しをつかめることはとても重要だ。また、高所などにあり、人による点検は危険性を伴ったり、手間もかかるため、恒常的な安全監視は難しいが、センシング技術を使うことで、点検作業員の安全と、橋脚自体の安全の双方を確保することができる。

●肌に押し付けるだけでバイタルセンシング

 ウェアラブル近赤外分光センサを使ったバイタルセンシングのデモ展示では、近赤外技術を活用。肌に押し付けるだけで、血中のヘモグロビン度、脈拍、酸素度の3項目が同時に測定できるモジュールとなる。

 体のどこかに押しつけるだけで、3種類の健康状態を把握できるので、ウェアラブル端末に搭載してフィットネスやヘルスケア用途で活用することが可能だ。

 特にヘモグロビン濃度は、人の疲労状態や眠気などを知る指標にもなるため、運輸・物流業界のドライバーの健康&安全管理にも利用することができる。

●「見守り」に活用できる気圧・温湿度・光センサー

 最後が、見守りなどにも活用できるデジタル気圧センサー、デジタル温湿度センサー、光センサーの数々を使った活用事例の紹介だ。

 デジタル気圧センサーは、腕時計型のウェアラブルの端末に搭載することで、見守りや登山者の遭難対策に応用できる技術。なぜ応用できるのかというと、気圧をもとにセンサーを装着している人の高さを把握することができるため、既存の位置情報端末と組み合わせることで、平面的な位置に加えて、高さを50cm単位で把握でき、ビルのどのフロアにいるか、山なら滑落や雪崩に遭った際の捜索を迅速に行うことができる。

 温湿度センサや光センサーなら、子どもやペットを想定した「熱中症/UVアラーム」、ひとり暮らし高齢者の室内における熱中症対策といったサービス・製品の提供が可能になる。

 他にも眼鏡にセンサネットワークモジュールを装着して歩行姿勢や転倒検出のデモ、コネクテッドカーの安全技術に使われているモジュールの紹介、環境センサーモジュールを使った温度・湿度・照度・気圧をモニタリングする水耕栽培の環境モニタリングデモなど、センシングの可能性を示す展示が多数あった。

【CEATEC 2015】熱中症防止やインフラの異常検知など……ALPSのセンシング技術

《防犯システム取材班@RBB TODAY》

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