【MINI クラブマン 海外試乗】加速や燃費以外でも感じた8ATの魅力…石井昌道

試乗記 輸入車
MINI クラブマン
MINI クラブマン 全 12 枚 拡大写真

日本導入も間近にせまっている新型MINI『クラブマン』に一足先にヨーロッパで試乗してきた。先代モデルは3ドアハッチバックをベースにホイールベースと全長を少し伸ばし、右側には逆に開く後ドア、観音開きのバックドアを採用したユニークなモデルだった。

新型も観音開きのバックドアは継承したものの、後ドアは左右に一般的な形でつけられ、合計で6ドア。さらに、現行の3ドア/5ドアとは違う、新規開発の大型プラットフォームを用いた別物のモデルだ。全長はミニ史上最長となる4235mm。3ドアより400mm、5ドアより235mmも長く、全幅は3ドア/5ドアに比べて75mm広い1800mmに達した。VW『ゴルフ』やメルセデス・ベンツ『Aクラス』、アウディ『A3』など激戦のCセグメント・ハッチバックのど真ん中にうってでるモデルなのだ。

パワートレーンでは、エンジンのラインアップこそ3ドア/5ドアに準じるが、ミッションにミニとしては初の8AT を採用。シャシーは、新開発のパーツによるシングルピボット・ストラット式フロントアクスル、リアにマルチリンク・サスペンションを採用するなど、1ランク上の仕立てになっている。

試乗したのはクーパーS。新採用の8ATは多段化の恩恵がおおいにある。シフトアップしたときのエンジン回転の落ち込みが少ないことが、加速変動を抑えるので乗り味も洗練された印象になるのだ。望んだ加速に対して素早く適切なギアを選ぶなど、ドライバビリティも秀逸で、加速や燃費以外でも8ATの魅力はあるのだと再認識した。

MINIといえばゴーカート・ハンドリングが楽しい反面、乗り心地はちょっと硬めというイメージがあるが、クラブマンはシャシー性能に余裕があり、スポーティさと快適性が高いレベルでバランスしている。MINIも世代ごとに進化をしているが、かつてないほど洗練されているのだ。

ハンドリングも、ロングホイールベース化されているのにMINIらしい俊敏さがあった。ボディの剛性強化はもちろんのこと、前後の剛性バランスにも気を使ったそうで、ステアリングを切った瞬間の反応の良さにくわえリアの追従性も良好で、一体感のあるハンドリングを披露する。

Cセグメントのクルマも、スポーティさと快適性の両立レベルがどんどんとあがっているが、MINIクラブマンはその基準をまたあげたように思える。また、この新開発の大型プラットフォームを使ったモデルは5つほど計画があるとのことで、今後の展開も楽しみだ。

■5つ星評価
パッケージング :★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

石井昌道|モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイク・レース等への参戦も豊富。ドライビング・テクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

《石井昌道》

石井昌道

石井昌道|モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストに。国産車、輸入車、それぞれをメインとする雑誌の編集に携わってきたため知識は幅広く、現在もジャンルを問わない執筆活動を展開。また、ワンメイクレースなどモータースポーツへの参戦も豊富。ドライビングテクニックとともに、クルマの楽しさを学んできた。最近ではメディアの仕事のかたわら、エコドライブの研究、および一般ドライバーへ広く普及させるため精力的に活動中。

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