プラチナ価格、ディーゼル排ガス不正問題で今年最安値を記録…2015年1月-9月

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プラチナ地金
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田中貴金属工業は、2015年1月から9月までのプラチナ地金の販売量と買取量をまとめた。プラチナの同期間の国内平均価格はグラムあたり4381円で、前年同期の平均価格4817円を約430円下回った。

2015年のプラチナの国内価格は、1月15日にスイス国立銀行が対ユーロ為替上限撤廃を発表すると大きく価格が上昇したが、ディーゼル車需要の高い欧州において、景気先行き不透明感が強まったことで上昇が限定的となり、1月19日に2013年4月以来、1年9か月ぶりに金価格を下回った。

2月以降、南アフリカのランド安によって安定した供給が続き緩やかに値を下げる中、7月に上海株式総合指数の下落によるアジア圏の実需の後退懸念や世界的な景気減速への不安感が強まったことで値を落とし、リーマンショック後の2009年2月以来6年ぶりに国際価格は1トロイオンス1000ドルを切り、国内価格も2012年9月以来3年ぶりに4000円/gを切った。

さらに、9月に入ると独フォルクスワーゲン社によるディーゼル排ガス不正問題が発覚。プラチナを多く使用するディーゼル車需要の後退が懸念され、プラチナ価格は9月29日に今年最安値となる 3615円/gとなった。

2015年1月から9月におけるプラチナ地金の販売量は、前年同時期と比べ約3.6倍で、9か月で昨年の年間販売量の2倍を記録した。買取量は、前年同時期に比べ48%減少となった。プラチナ価格が金価格を下回っている値ごろ感に加え、4000円/gを切ったことが、販売量増加に影響していると考えられる。プラチナ価格に敏感に反応し、大幅に取引が活発化していることからプラチナにより資産形成を考えるプレイヤーの増加がうかがえる。

今後は、欧州におけるディーゼル車自体の動向や、南アフリカの労使交渉と供給動向に市場の注目が集まる事が予想される。

《纐纈敏也@DAYS》

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