東京・お台場の一般道を日産の自動運転実験車で走った!

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日産の自動運転実験車に公道で試乗
日産の自動運転実験車に公道で試乗 全 5 枚 拡大写真

日産自動車が10月29日から公道での走行テストを始めた最新の自動運転実験車に31日、東京都江東区のお台場付近の一般道で同乗試乗した。

この実験車は、日産が2020年の実用化を目指している高速道路およびー般道での自動運転車の開発に向けて製作したもので、電気自動車(EV)『リーフ』をベースに改造している。改造費用がかさみ、また高価なセンサー類も使うため、1台のコストは約1億円という。報道関係者を対象にした31日の試乗は、左回りの周回で全長約17kmの一般道コースで行われた。

交差点での信号認識による停止や直進、左折、車線変更などを自動運転モードでこなした。コースの制限速度は50km/hと60km/hの2種類で、これに沿ってスムーズに加減速した。制限速度情報は地図情報と実際の道路標識から得ており、これらが異なる場合は標識を優先するという。

人の運転と自動運転の切り替えは、センターコンソールに設置された「パイロットドライブ(=自動運転)コマンダー」と呼ぶボタンで行う。メーター画面の表示は、運転モードによって内容が変わり、自動運転時はシステムが認識している車両周囲の状況を示す。赤信号で停止すると、車両前方のリアルタイムの映像とともに、赤信号のアイコンも表示された。

また、ドライバー前方のフロントウインドウに情報が映し出される「ヘッドアップディスプレイ」も装備している。ここには自動運転モード時に、車線変更など今後の進路情報が音声アナウンスとともに予告表示され、車両とドライバー間の重要なインターフェース機能を担っている。

高速道路以外の一般公道での自動運転体験は初めてだったが、想像以上の走りであり「ここまで来ているのか」という実感だった。混合交通なので様々なケースに遭遇する。ハイライトは左車線からの並走によるバイクの追い抜き、さらに同車線からの小型バンの割り込みといったケースがあったが、自動運転で減速しながらうまくやり過ごした。また、左折する途中で車両左側の横断歩道に人が入ると、これも認識し、人の通過後に再発進した。

コースには約15の信号があり、途中で青から黄色に変わるシーンもあったが、適切な判断を下してそのまま進んだ。唯一、ドライバーが介入したのは、自動運転車が最も苦手とする状況のひとつである、渋滞車線への合流だった。

日産の自動運転技術のキーマンで、今回ドライバーを務めてくれたADAS&AD開発部の飯島徹也部長は、「人間の運転と全く同じレベルに至るにはまだまだ時間がかかる」としたうえで、「あらゆるレアな走行シーンをクルマ側にトレーニングして覚えさせること。また、人間がうまくこのシステムと付き合えるようなインターフェースの改良も重要だ」と語った。


《池原照雄》

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