【SUPER GT 第7戦】GT-R勢がGT500クラスを1-2で制す…松田次生は最多タイ16勝目

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優勝した#1 GT-R(SUPER GT 第7戦)
優勝した#1 GT-R(SUPER GT 第7戦) 全 12 枚 拡大写真

SUPER GT第7戦は1日、大分県のオートポリスで決勝300kmレースを行ない、日産GT-R勢がGT500クラスを1-2フィニッシュで制した。優勝は前年王者ニスモ組の松田次生&ロニー・クインタレッリで、松田は歴代最多に並ぶGT500通算16勝目。

スタート前で気温14度/路温17度、予想外といっていい低温コンディションでの戦いとなった65周の決勝レース。各陣営、タイヤに関しては終始なんらかの不安を感じつつのレース展開を強いられたとはいえ、さらに中盤からは霧雨も舞って各車のワイパーが動くようになるなど、いつどこで大きな波乱が起きてもおかしくないような流れでレースは進んでいくことになる。チャンピオン争いのことも併せて考えると、実にスリリングで濃密な2時間弱の攻防ともいえた。

ポールからスタートしたのは、現在ドライバーズポイント首位の#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/ブリヂストン=BS)。レース前半、後続に背後を脅かされるシーンもあったが、オリベイラはトップを守ってピットへ向かい、安田にバトンを渡す。

しかし#12 安田がピットアウトしたばかりの40周目、#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)の松田が急接近してくる。この局面、4周ほど先にピットストップしていた#1 GT-Rの方がタイヤの温まり的に有利だったと考えられ、さらにウエイトハンデに絡む燃料流量リストリクターの関係で(詳細は予選レポート参照)直線スピードも追う#1 GT-Rが有利と思われる状況下、41周目に入るストレートで#1 松田が#12 安田をパスする。

だが、#12 安田もあきらめずに食い下がり、再び#1 松田に接近。そして47周目、第2ヘアピンでインを差す。ここではオーバーラン気味になった#12 安田が走行ラインへと戻ってくる際に#1 松田と交錯する状況もあるなどしたが、結局、順位は動かなかった。その後も#12 安田がトップ#1 松田に迫る場面はあったものの、#1 松田が逃げ切る。

#1 GT-Rは第2戦以来の今季2勝目。2位に#12 GT-Rが入って日産勢の1-2フィニッシュとなり、GT300クラスでも日産が1-2を遂げているため“ダブル1-2フィニッシュ”に。これはやはり第2戦以来で、今季2度目の快挙達成となっている(日産の両クラス制覇は第3戦以来で今季3度目)。

松田にとっては、立川祐路と本山哲に並ぶGT500個人通算最多タイの16勝目。「今日はタイヤが厳しくなると思っていましたが、ロニーが頑張ってJP(オリベイラ)に食らいついていってくれた。チームのピットワークもすごく良かったです。勝負は(ピットストップ後の)アウトラップ(の数周)しかないと思っていたので、そこでプッシュしました。このいい流れを最終戦につなげたいと思います」と語り、自力逆転の可能性も出てきた王座連覇にも意欲を見せる。

僚友クインタレッリも「夏場のレースで流れがわるくなってしまったこともあるし、レースに向けてはタイヤのタレという点で少し不安もあった。でも、結果的にはいい走りができたと思う。今日は本当に嬉しい」と喜びを語っている。#1 GT-R ニスモチームにとっては、連覇に向け大きく視界が開ける勝利となった。

GT500の決勝3位は、後半の塚越広大の追い込みが光った#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越&武藤英紀/BS)で、ホンダ勢最上位。レクサス勢では#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)の4位が最高だった。5位もレクサス勢で、#36 PETRONAS TOM’S RC F(伊藤大輔&J.ロシター/BS)が続いている。

6位は#46 S Road MOLA GT-R(本山哲&柳田真孝/MI)。また、前戦優勝でランク2位に浮上していた#100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT(山本尚貴&伊沢拓也/BS)は今回11位で、惜しくもポイント圏ゴール(10位以内)が果たせなかった。

そして原則全車ノーハンデの最終戦を残し、GT500クラスのドライバーズポイントランキングは以下のような状況(手元集計)へと変化している。

66点 #12 GT-R(安田&オリベイラ/BS)
64点 #1 GT-R(松田&クインタレッリ/MI)
53点 #38 RC F(立川&石浦/BS)
50点 #46 GT-R(本山&柳田/MI)
49点 #100 NSX(山本&伊沢/BS)
49点 #36 RC F(伊藤&ロシター/BS)

上記6組に数字的可能性が残されてはいるが、53点の#38 RC Fは最低限2位(15点)が、50~49点の3組は最低限優勝(20点)が必要で、しかもそれぞれ他車の結果次第と苦しい立場。最終戦は全車ノーハンデということも考慮すれば、実質の争いはトップ2、自力王座の権利がある2台のGT-Rに絞られたと考えていいだろう。BS対MI、宿命のタイヤ対決でもあるが、#12 安田&オリベイラは初の、#1 松田&クインタレッリは2年連続のGT500ドライバーズタイトルを目指し、同門対決というかたちになる(クインタレッリには個人単独最多4度目もかかる)。

最終戦は栃木県のツインリンクもてぎを舞台にした今季最短250km戦。混戦局面から一気にGT-R勢一騎討ちへと転じた王座争い、その雌雄がスピードバトルで決せられることとなる。中1週、しかもGT500クラスの場合は結構な数の参戦メンバーにとってスーパーフォーミュラ最終戦を挟む3連戦という強行日程にもなるが、「MOTEGI GT 250km RACE」は予選が11月14日、決勝が翌15日という日程での開催だ。どういう決着劇が展開されるのか、今から楽しみである。

《遠藤俊幸》

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